薬物の過剰摂取を意味する「オーバードーズ」。一時的な高揚感などを求め、市販のかぜ薬などを大量に摂取する行為がSNSを通じ広がっています。死亡事例も相次ぐなか、警視庁は、「オーバードーズ」で死亡した女性を放置した疑いで医師の男らを逮捕しました。

「現実を感じるのがつらい」
「宇宙に行ってきます」

大量のかぜ薬などの写真とともに、SNSに投稿されたコメント。

市販の薬などを大量に摂取すると、一時的に高揚感や多幸感を錯覚したり意識の混濁などに陥るため、安易に手を染めるケースが増えているのです。体に大きな負担がかかる大変危険な行為。死亡例も相次いでいます。

警視庁は27日、市販薬の「オーバードーズ」によって死亡した女性の事例を公表。一緒にいた男ら3人を逮捕しました。

警視庁によりますと、保護責任者遺棄の疑いで逮捕された医師の男(48)らは、今年6月、東京・豊島区のホテルの一室に集まり、市販薬を大量に摂取していました。そのうち、38歳の女性が昏睡状態に陥いりましたが、斉藤容疑者らは、12時間近くに渡って放置した疑いがもたれています。女性はその後、病院で死亡が確認されました。

薬物の過剰摂取を意味する「オーバードーズ」。

誰でも手に入る市販の薬による「オーバードーズ」は、若者の間でも広がっています。

オーバードーズをしているAさん
「(1回に)20錠から80錠あたりですかね」

5年ほど前から、市販薬のオーバードーズがやめられないというAさん。

オーバードーズをしているAさん
「ベッドに横になってるはずなんですけど、ジェットコースターに乗っているみたいに体が振り回される感覚になったり」

やめられないのは、薬そのものへの依存だけではなく、SNSにオーバードーズの写真を投稿し、同じ悩みを共有することで自分を“承認”してもらえる感覚もあるといいます。

Aさんが参加しているSNSのグループでは、メンバーがオーバードーズをする様子をリアルタイムで共有しています。

オーバードーズをしているAさん
「いいねもありますし、DMで『OD(オーバードーズ)いいね』みたいな人とかもいますし、つらかったねとか、何かあったのって言ってくる人とかもいます。こんなんしてる自分でも、認めてくれる人たちがいるんだみたいな」

オーバードーズの危険性について専門家は・・・

精神保健福祉士 杏林大・加藤雅江教授
「だんだんコントロールができなくなって、薬に支配されていってしまうような状況になる。周りの人の力であったり、医療っていうところを活用してもらわないと、やめていくことは難しい」

オーバードーズから抜け出させるためには、背景にある悩みに目を向けることが大切だと訴えます。

精神保健福祉士 杏林大・加藤雅江教授
「『そういう行為にならざるを得ない苦しさを抱えているんだって』という見方をしていただいて、そこの部分をご本人たちに、語らせてあげるということが一番大事」

ドラッグストアの業界団体は、業者に対し、オーバードーズによく使用される薬を2つ以上販売する場合は、必ず理由を確認するよう呼びかけています。