■プロバスケットボールリーグ・B.LEAGUE 第3節(28日、横浜市・横浜国際プール)

日本代表の司令塔・河村勇輝(22)を擁する横浜ビー・コルセアーズは、本拠地で西地区6位の広島と戦い、80‐76で勝利し、連敗を2で止め勝率を5割に戻した。

第1Q、横浜は、26日の試合では登録から外れていたジョシュ・スコット(30)がスタメンに復帰。さらに、史上最年少で日本代表候補となった経験のある田中力(21)が、特別指定選手として登録され、選手層に厚みが増してのスタートとなった。
序盤、河村が立て続けにジェロード・ユトフ(30)の3ポイントをアシストすると、自らの3ポイントも含む8得点、3アシスト、3リバウド、とチームを牽引する。広島は、8分過ぎ、26日に日本国籍を取得して選手登録された河田チリジ(34)が、208cmの高さを生かしたプレーを見せ食い下がる。(横浜24-13広島)

2Q、河村はベンチスタート。横浜は、PGの森井健太(28)が献身的なディフェンスに加え、自らも3ポイントを決め、得点を重ねていく。一方、広島は河田とニック・メイヨ(26)の2m超えビッグマンコンビが高さを生かしたプレーで、得点差を詰めていく。河田はこのクォーターだけで、4つのリバウンドと活躍を見せる。
しかし、横浜は、開始5分過ぎに河村が途中出場すると、この日2本目となる3ポイントを決め、早くも二桁得点を記録する。さらに、終了直前には、スコットが放ったシュートがリングに当たってはねたところを、キング開(23)が、空中で手を伸ばして押し込み、一時は2点差だった得点を、再び9点差にまで広げて前半終了となった。(横浜45-36広島)

3Q、広島が、メイヨのダンクシュートで活気づくと、メイヨとドゥエイン・エバンス(31)にボールを集め、2人でこのクォーター14得点と、一気に点差を縮め、一時は同点とする。横浜は、前半のように3ポイントが決まらないものの、早い時間帯に、広島のチームファウルが5つとなったことで獲得したフリースローをしっかりと決めながら、着実に加点していく。追いすがる広島は、残り2分を切ると、もう1人の208cm選手ケリー・ブラックシアー・ジュニア(26)が立て続けに得点し、2点差で終了。(横浜65-63広島)

最終4Q。3Qの勢いそのままに、広島は、開始1分、中村拓人(22)の3ポイントでついに逆転する。しかし、横浜は、その15秒後にデビン・オリバー(31)の3ポイントで再逆転。そこからは、両チーム激しい攻防で得点があまり動かない。残り2分で2点差(横浜74‐72広島)。
広島の激しいディフェンスで、河村が苦しいパスを出すと、これをスティールした広島が同点に追いつく。しかし、その直後、ユトフの3ポイントで再び3点差とする。そして、最後に試合を決めたのは、やはり河村だった。残り13.5秒、この日24点目となる3ポイントを沈め、勝負あり。横浜は、この日も5000人を超えるファンの前で見事な勝利を収め、河村は、この試合のMVP(24得点、7アシスト 4リバウンド)に選出された。(横浜80-76広島)

試合後、河村は「優勝を目指しているので、これに驕ることなく、修正するところはして明日も勝ちたい」と、この日も「優勝」という言葉を出し、しっかりと目標を見定めていた。なお、特別指定で加入した田中力の出場はなかった。