ソフトボールが好きな活発な妻だったが…

3か月後、改めて高田さん家族を取材すると疲れた様子でこう語りました。

夫の倶行さん:「(妻は)体力的に疲れやすいもんやからそんなに遠いところに行かんと思うんやけどね。山とか池の方見てきたんだけど限られとるもんね。本当に思い当たるところはすべて見たけど探すすべがない」

夫の倶行さんは、近所の池や山、隣接する富山市まで思い当たる場所をすべて探しましたが手掛かりはなかったといいます。次男の哲夫さんは。

次男の哲夫さん:「正直なところ何とか見つけたいと思ってもやっぱり最初の時と一緒で情報がなかったらどこを探せばいいか分からないものだから、何か月も経って同じようなところを探してても見つかるわけでもないし。本当に神隠しにあったような状況ですよね」

記者:「3か月間どのような思いでしたか?」

次男の哲夫さん:「本当に何をしてても考えてしまうし、何かできんかなと思っても、できない歯がゆさというか、そういうのはやっぱりありますよね」

行方不明になったきみ子さんはどんな人だったのでしょうか?

夫の倶行さん:「若いころは私は仕事が忙しかったもんだから、家内にみんな任せていた。子育ても…」

きみ子さんはスポーツが好きだったといいます。

夫の倶行さん:「ソフトボールのチームを作っていた。割と活発にようやっとったもんやけど。そういうのは体調壊してからかしらんけど行かなくなってしまってね」

しかし、30年ほど前に身体を壊して以降、人との関りが減ってきたといいます。

夫の倶行さん:「うつ病みたいになって。そういうのが続いて治ったと思ったら今度、認知症に…。いい時も悪い時もあるんだけどもだんだん人との会話もなくなっていくしね」

行方不明になる直前は認知症が進んでいたといいます。

夫の倶行さん:「認知症はやっぱり進んでいったんだろうね。近所に行っても家がどっちに向いているか分からないんだからね。道の方向が。右曲がるんか、左曲がるんか分からんみたいやったね」