クマによる人身被害が多発しています。
これまでに、秋田県内での52人をはじめ全国で155人が被害に遭い、そのうち5人が亡くなっています。
クマによる人身被害の深刻化が懸念される新潟県では、26日午後に「新潟県鳥獣被害対策緊急本部会議」を開き、『クマ出没特別警報』を発表して一層の注意喚起を呼び掛けました。
新潟県内では、今年発生した6件の人身被害のうち、4件が民家敷地など市街地で発生しています。今夏同様に猛暑高温だった2010年はクマの出没ピークが11月だったということで、新潟県では『クマ出没特別警報』の発表とともに、11月30日までを「クマ出没警戒強化期間」として改めて注意を呼びかけます。
新潟県によりますと、今秋はこれまでに900件を超える目撃情報などが寄せられ、そのうち6件で7人の方がけがをしています。
死亡事故が発生した2020年のような被害の拡大を防ぐためにも、クマが活発に行動する朝方と夕方以降の時間帯には特に注意するとともに、行楽や登山などで山に入る際には十分な備えをしてほしいと呼び掛けています。

これまで新潟県では、湯沢町で発生した今年最初の人身被害をうけて7月18日に「クマ出没警戒注意報」を発表し、クマのエサとなるブナなどの堅果類が凶作になりそうなことが分かった8月には改めて注意喚起をするとともに、9月1日には「クマ出没警戒警報」を発表していました。
県の調査では、夏の猛暑高温の影響で、今年のブナの実の「凶作」は確実視されています。そのため冬眠前のクマがエサを求めて人里へ出没する可能性が高く、新潟県は今年度の新たな取り組みとして、新潟県内の農産物直売所でポスターを張るなどの注意喚起に努めています。