2021年、甲府市で夫婦が殺害され住宅が放火された事件で当時19歳だった特定少年の被告の裁判が甲府地裁で始まりました。
被告は終始無言で弁護側が起訴内容を一部否認しました。

殺人などの罪に問われているのは当時19歳だった甲府市の遠藤裕喜被告です。
起訴状などによりますと被告は2021年10月、甲府市の住宅で夫婦を刃物で刺して殺害し夫婦の次女も殺害しようとしたほか住宅を全焼させたなどとされています。

きょう甲府地裁で始まった裁判で被告は終始無言で本人確認や起訴内容の認否について答えませんでした。
そして弁護側が次女への殺人未遂について殺意がないと否認しました。
冒頭陳述で検察側は好意を抱いた夫婦の長女に交際を断られたことで怒りを募らせ、家族を皆殺しにしようとしたと指摘し、弁護側は被告は家庭環境が影響し当時、心神耗弱であったと主張しました。
裁判は被告に完全責任能力があったかなどが争点で12月の結審まで26回予定され判決日は今後指定されます。
被告は改正少年法で「特定少年」と位置付けられ、起訴した際に検察は全国で初めて20歳未満の実名を公表しました。
UTYは今回の事件について2人の命が失われ、放火されるという重大性を考慮した結果、特定少年の「被告の名前」を報じるに相当するものと判断しました。