宮城県内ではクマの出没が大幅に増えていて県は全域にクマ出没警報を出し警戒を呼びかけています。専門家はクマの数の増加とエサ不足が背景にあると指摘しています。

色麻町内の畑に残されたクマの足跡。畑の所有者が10日ほど前に見つけました。

畑の所有者 川村武治さん:
「にぎりこぶしよりちょっと大きい。かなり大きなクマ」

クマの足跡をたどると、その先にあるのは柿の木です。枝にはクマの爪痕も。24日午前0時20分頃、同じ木に登って柿の実を食べているクマを通りかかった人が目撃しました。

畑の所有者 川村武治さん:
「爪でやられたらと思うと引っかかれたら怖い。十分みんなで注意しないといけない」

県によりますと、県内での今年度のクマの目撃情報は10月20日時点で766件。また、10月は、20日までで147件と過去5年の同じ時期の平均の1.5倍を超えています。このため県は全域にクマ出没警報を出しました。期間は11月6日までです。

専門家は今年はクマのエサとなるブナの実が東北で大凶作のためエサを求め行動範囲を広げていると指摘します。

森林総合研究所東北支所 大西尚樹動物生態遺伝チーム長:
「例えば栗や柿、農作物などクマにとってエサになるものが住宅地にあったらそれを食べ来てしまう。エサを求めて歩いているので人里近くに出てきてしまう」

また、この20年でクマの数が増えたことも目撃件数増加の要因だと分析します。

森林総合研究所東北支所 大西尚樹動物生態遺伝チーム長:
「クマの数が増えるのに伴って分布域も広がる住宅地とクマの分布域が接してしまっている」

森林総合研究所東北支所 大西尚樹動物生態遺伝チーム長

県内では、今年6月、2人がクマに襲われけがをしたほか秋田や岩手などでもクマに襲われる被害が相次いでいます。

森林総合研究所東北支所 大西尚樹動物生態遺伝チーム長:
「恐いと思ってるんですね、クマのほうも。クマ鈴を鳴らして、身体につけておいて歩いているうちに勝手に鈴が鳴るのでクマが気付いてくれる」

県は・鈴やラジオで音を出す・朝夕の行動を避けるなどの対策をとるよう呼びかけています。

大西さんは、「クマに存在を気づいてもらうことが重要だと」と指摘していて、万が一遭遇した場合は背を向けず走って逃げたりはしないでほしいと話していました。また、ヘルメットを装着することが命守る行動につながるとも話していました。