南米アルゼンチンで22日、大統領選挙が行われ、強い語り口と過激な主張で“アルゼンチンのトランプ”と呼ばれる候補が決選投票に進みました。その躍進のワケは?
22日、即日開票されたアルゼンチン大統領選挙。今回2位になり、来月の決選投票へ臨むのがハビエル・ミレイ候補です。
記者
「ミレイ氏が登場すると、この会場のボルテージは最高潮になっています」
選挙活動最終日の集会で、既存の政治体制との決別を象徴する映像と共に姿を現したミレイ氏。アーティストのように支持者を鼓舞します。
ミレイ候補
「世界最悪の貧困に陥ろうとしているこの国を私たちが変えるんだ」
ミレイ氏は右派政党を率いる下院議員で経済学者出身。中央銀行の廃止や銃規制の撤廃など過激な政策を掲げ、“アルゼンチンのトランプ”と呼ばれています。強い語り口とSNSを用いた選挙戦を展開し、若者から絶大な人気を得ています。
この日、演説会場に足を運んでいたのは18歳のアルダナさん。
アルダナさん
「ずっと感動しっぱなしでした。聞きながら奮い立っていました」
首都ブエノスアイレス郊外で母親や兄妹ら5人と暮らしていますが、生活は厳しいといいます。
経済状況が極めて悪く、年間100%を超える記録的な物価上昇に襲われているアルゼンチン。パンの値段は、ここ4年でおよそ10倍にまで達しています。
アルダナさん一家はアルバイトの収入はあるものの、政府からの手当て月7500円ほどを頼りに暮らすのがやっとの状況です。
アルダナさん
「ミレイ氏は私たち家族の生活を変えてくれるでしょう。今の経済状況では、一か月乗り切るのがやっとなんです」
ミレイ氏は当初、支持率争いで3位でしたが、8月の予備選挙では大方の予想を覆し首位に。支持団体の会員数も膨れ上がりました。
ミレイ氏支持団体代表
「ミレイ候補は、まさに希望なのです。彼のリベラルな主張は、既存の政治と不安定な経済状況に嫌気がさしている人々の受け皿なのです」
一躍、大統領選の決選投票にまで進んだミレイ氏ですが、専門家は旋風とも評される急速な人気の高まりについて、危うさも指摘します。
ブエノスアイレス国立大学 フェルナンド・ペドロサ教授
「ミレイ氏の政策は具体性に欠け、実行できるか疑問です。しかし、若者たちは救世主のように大統領になれば、何でも解決してくれると思っているのです」
世論調査で首位を独走していたミレイ氏が今回2位に沈んだことについて、地元メディアは「サプライズ」と報じていますが、変革を求める国民の声に押されて、このまま大統領の座に上り詰めるのか。
決選投票は11月19日に行われます。
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