富山県の高岡市長や市議会議長らが姉妹都市訪問のためビジネスクラスを利用したことで旅費が高額となったと批判の声が出ている中、18日夜、高岡市議会の議会報告会が開かれました。ビジネスクラス利用について議会側は触れず、参加した市民のなかには「一番の関心事について聞きたかった」と途中で退席する人もいました。

18日夜に開かれた高岡市議会の議会報告会。中川加津代議長をはじめ、すべての市議と、高岡市民約40人が集まり、「安心して暮らせる高岡にするには」というテーマでグループディスカッションをおこないました。
そのなかで、参加していた一人の男性は、議会へ提出するアンケート用紙に、「ビジネスクラス利用問題腹立たしく思い参加。中川議長は本当にビジネスで行きたかったのか真意を聞きたくて参加」と、アメリカ出張でのビジネスクラス問題について真意を聞きたくて参加したと書いていました。

しかし、その男性は途中で席を立つと会場をあとに…
記者:「なんで帰られるんですか?
きょう何かお話されたいことあったんですか?」
男性:「ビジネスクラス問題についてしたかったけど
一言も言わない。ビジネスクラスの飛行機問題。
一番の関心事なのに触れないもん。
一番関心事だ、誰が思っても。それに一言も触れない。
それで後で質問してくれとかなんとか」

議会報告会は、広く市民の意見を取り入れようと市議会が年に2回開催しているもので、議案についての報告のあと、市民と議員が指定されたテーマでグループディスカッションをし、そのなかで「自由討論」の時間はあるものの、全体の場で市民が自由なテーマで発言したり、議員に質問したりする機会は設けられていません。
報告会終了後、角田市長や中川議長ら4人がアメリカ出張でビジネスクラスを利用したことについて参加した市民にたずねるとー。
高岡市民:「旅行じゃないので。そこで値段がどうのこうのじゃないと思うんですよね。ただ、説明の義務はしっかりあると思うので、そこが曖昧というか、しっかりしていないところが問題かなと」
高岡市民:「市民としては財政は潤沢ではないだろうなというところで、今のタイミングじゃないだろうと。なぜそういう判断したかをきちんと聞きたかった。報道とか事前に申請してというニュースも聞いてますが、それっておかしくないですか。逆に僕が問いたいです、なぜそういう対応にしたのか。それだともっと不信感抱くんじゃないでしょうか」
議会報告会を終え、自身もビジネスクラスを利用した中川加津代議長が報道陣の取材に応じました。

中川加津代議長:
「(アメリカの)フォートウェーン市あるいはビジネスクラスの席に関するご意見とか厳しいご意見、ご批判というのは私にはきょうに限ってはなかったので、いろいろと世の中、報道が騒いでいるほど『市民の関心はどうなのかな』という風にはまず率直に思いました」
記者:
「アメリカでの成果をふまえて今回のビジネスクラスの選択はよかった?」
中川加津代議長:
「申し訳ありません。ビジネスクラスについては、座席については私の方に申し上げるような立場でもないので、それはコメントは控えさせてください」
記者:
「議長からも説明してほしかったという声があったが、それはどうお考えですか」
中川加津代議長:
「それについてはすでに報道等で、私の置かれた立場でお伝えしていますので、それ以上お答えすることは控えさせていただきたいと思います」

記者:
「今後も説明することは控えたい?」
中川加津代議長:
「そういう立場にはないというふうな自分は自覚でおりますので、大変申し訳ないですけれども控えさせていただきたいと思います」