「乗り物酔い23%改善」その“中身”まで全部見せてくれました
そんなやくも号、私たちが一番気になるのが、その乗り心地です。
現在走っているやくもは、「自然振子式」を搭載した381系。デビューから41年が経ち、いまだ現役の国鉄時代の車両です。
しかし、この381系はあまりに揺れが激しいことから、乗り物酔いをする人が続出。2010年に改良を加えデビューした「ゆったりやくも」を引用し、「ぐったりはくも」などと呼ばれるようになってしまいました。

(JR西日本車両部 関谷賢二 車両部長)
「これまでの乗り物酔いですよね。自然振子は走行線区の形状に合わせて、車両が自然の遠心力等を使って行います」
「となるとカーブから直線に入って戻った後、ずっと『振り子が振り続けてしまうような状況』になります。そうしますと、どうしてもずっと体が揺れたような状況になって、乗り心地が悪いというふうになっております」

「そこで新型の273系に今回初めて開発されたのが、車上型の制御付振子装置です」

なんとその装置は、鉄道に詳しくない私達にとっては意外や意外、【画像⑲】のようにドアデッキにありました。【画像⑳】ではその扉の中身まで見せてくれました。

ーこれはどういった装置ですか?
(JR西日本車両部 車両設計課 所田達也さん)
「振子の制御装置です。車両の方に事前に曲線など『線路の情報』が蓄積されていています」
「例えば曲線を通過する手前のタイミングで『今から曲線に入るよ』というところを装置がしっかりと感知して、事前に車体を傾斜させることで、お客様の側に乗り心地良い状態で曲線を通過するようにするというシステム制御になっています」

ーこの装置があると乗り物酔いはなくなるんでしょうか?
「そうですね。やっぱり従来の装置ですと『自然振子』で曲線の遠心力で車体を傾斜するような形だったんです」
「しかし新型は、しっかりと曲線に入る前に自分で車体を傾けることで、非常に居心地が改善されたようなものとなっておりますので、お客様の快適な乗り心地を提供できるかなと思っております」
一目で分かりやすく...会場にあった図解を拝借し【画像㉑】として掲載してみました。

ー乗客がやくもで酔わないという自信はありますか?
「あります。はい、楽しんでいただければなと」
