下関市に新しくミニシアターがオープンしました。ネット配信などが当たり前になっているなかなぜ今、ミニシアターをオープンさせたのでしょうか?

ミニシアターをつくったのは、映像制作会社シネポス代表・シネマポスト支配人の鴻池和彦さん。鴻池さんは7年前に映像制作会社を立ち上げ、社員と2人で行政や民間のPRビデオなどを手がけています。この日は、市内の税理士事務所で制作中のPR動画の打ち合わせをしていました。

郵便局継ぐため帰郷するも…
鴻池さんは大学卒業後、東京の「円谷プロダクション」などで働いていましたが、34歳の時に実家の郵便局を継ぐために下関市に戻ってきました。その後郵便局は、エリア配置の見直しで廃止となり、培ってきたノウハウを生かして今の会社を設立しました。

鴻池さん
「企業のPR映像とかイベント映像とかをやりながら、映画館への夢というかそういうものを具体的に感じていたんですね」
郵便局を改修しミニシアターに

映画館は会社と同じ建物で、郵便局があったスペースを改修しました。場所はJR下関駅西口から歩いて9分。下関漁港のすぐ近くで目の前には「漁港口」のバス停があります。
オープンまで1ヶ月あまりとなったこの日、待ちに待った「あるもの」が届きました。映画館の看板です。名前は、漁港口の映画館「シネマポスト」。映画と郵便ポストを組み合わせた造語です。映画館の入り口横に出来上がった看板が取り付けられました。

鴻池さん
「少しずつと言いますか理想が現実化していくということに非常にうれしいなあという気持ちでいます」
看板には映画の制作現場で使われる、カチンコと郵便ポストのオリジナルデザインが描かれています。
郵便局の面影を残して

館内の内装工事は終わり、開館に向けて最後の準備を残すだけです。このカウンターは郵便局の受付だったところをそのまま再利用しました。カウンターの上には座いすが置かれ、ここも客席として使われます。ところどころにここが郵便局だったという面影が残っています。
鴻池さん
「見ていただく方にそういった歴史を感じてもらえるというのも一つの楽しみ、おもしろさなのかなと思ったりしました」

広さはおよそ65平方メートルで定員は22人です。見えやすいように、フロアーには段差がつけられています。特に音響にはこだわり、最新機器を導入しました。
鴻池さん
「音響的な部分も非常にコンパクトがゆえのダイナミズムというかぜいたくな空間提供を心がけてつくりました」
開館へ地道なPR活動
開館1か月前になるとPR活動にも力をいれていきます。チラシなどを持って知り合いの店などをまわります。

鴻池さん
「チラシを持って参りました。いよいよシネマポスト開館ということで」
チポーラ・中村諭央代表
「おめでとうございます」
鴻池さん
「ありがとうございます」
中村さん
「この映画館めがけて市外、県外からたくさんの人が来てくれるとまた下関にとってすごくいい相乗効果みたいなものになればいいなあと思っています」
鴻池さん
「ほんとうに来ていただけるんだろうかという不安は多少ありますけど、まあひとりでもね、お越しいただけるかたがいらっしゃればそれだけでもうれしいなと思っています」














