実に約40年ぶりとなる新型車両の導入です。岡山駅と島根県の出雲市駅とを結ぶ特急「やくも」の新型車両が、きょう(17日)東大阪市でお披露目されました。

(坂井亮太アナウンサー)
「見えてきました、伯備線を走る予定の「やくも」新型車両。今度のやくもはブロンズ色の車体です」)

ブロンズ色の車体にスマートな外観。きょう東大阪市の近畿車両本社でお披露目された、新型車両273系「特急やくも」です。その車内はというと…

(坂井亮太アナウンサー)
「こちらはグループ向けの座席『セミコンパートメント』。大きな窓が特徴で、この車窓から外の景色が楽しむことができそうです。大きなテーブルやゆるやかな仕切りもあるのでプライベートな空間も演出しています」

岡山駅と出雲市駅とを結ぶ特急「やくも」に新型車両が導入されるのは、実に約40年ぶり。いま、伯備線を走っている「やくも」は、1982年から走り続けている全国で唯一現役の国鉄時代の特急車両です。

この車両、実は「乗り物酔いに悩まされる」と運行開始当初からRSKのイブニングニュースでも取り上げていました。

ービニール袋持ってるけども酔ったの?」
(生徒)「はい」

(車内販売員)
「揺れますね、凄く揺れます。どうしてもお客さんにね、手が行ったりしてすいませんいうのが多いですね、今までのやくもよりかね」

中国山地を越える際に、極力スピードを維持しながら多くの連続するカーブを通過する特急やくも。その揺れを軽減すべく「自然振子式」を採用していますが、それにも限界があったといいます。

(JR西日本車両部長関谷賢二さん「(自然振り子式は)ずっと体が揺れて乗り心地が悪い状況になっていました」

その揺れを極力抑えて、乗り心地を向上させようと今回開発されたのは「車上型の制御付自然振子方式」です。振子を制御する新型の装置などを取り入れたことで、緩やかな車体の傾斜を実現し、乗り物酔いがこれまでと比べ最大23%改善されたということです。

(JR西日本車両部車両設計室所田達也さん)
「従来の振り子装置ですと『自然振子』という形で、曲線の遠心力で車体を傾斜するかたちでしたが、新型車両は事前に曲線に入る前に車体を傾けることで、非常に乗り心地が改善されたようなものとなっていますので、お客様に快適な乗り心地を提供できます。

ー自信はありますか?
「あります。楽しんで頂ければ」

そのほかにも
・全席コンセント設置
・車内Wifi整備
・車内防犯カメラの設置
など、大幅にサービス向上が図られた「特急やくも273系」は、2024年度より順次導入され、営業運転を開始する予定です。