天空の城として知られる高梁市の備中松山城。雲海のシーズンを迎えるなか、雲海の発生を予報するAIシステムが開発され、今月から運用が始まっています。



先月(9月)、備中松山城を望む展望台にカメラが設置されました。

岡山理科大学の大橋唯太教授が開発した「雲海AI予報」システムに活用されるものです。


雲海の様子を静止画で撮影し、気象庁の気温や湿度などのデータと照らし合わせてAIプログラムが雲海発生の確率をウェブ上で公開します。

(岡山理科大学 生物地球学部 大橋唯太教授)「本当に天空の城みたいに見えるタイプの日と、

ちょっと低すぎたり高すぎたりしてあまり天空の城に見えない日とか、

全部ふるい分けてデータ化する形になります」

備中松山城の周辺に雲海が発生するのは9月下旬から4月上旬の早朝で、

毎年その時期には多くの観光客が幻想的な風景に魅了されます。高梁市も高い確率で天空の城と出会えるようAI予報に期待を寄せています。

(高梁市 産業経済部観光課 渡辺隆弘さん)「電話で問い合わせがあった時には『気象条件とかによって変わりますよ』というふうな情報しか出せなかったんですけど、この予報ができることによって観光客の方に『予報を見て来てくださいね』というふうな感じでお勧めできるかなと思っております」

今月から始まった予報は去年10月から今年5月までのデータをもとに行っていて、今年度も画像の記録が行われています。さらに多くのデータを収集し予報の精度を向上させようと大橋教授も意気込みます。

(岡山理科大学 生物地球学部 大橋唯太教授)「まだまだ今年度、来年度というふうに雲海の発生と気象条件のデータセットが増えれば増えるほど、

AIはどんどん賢くなっていくので、まだまだこれから進化していきます」

観光の分野でも活用が進むAI技術。今後、雲海に浮かぶ城と出会える確率が上がりそうです。

(スタジオ)
ーお伝えしたAIシステムは岡山理科大学や高梁市のホームページから確認することができます。

(1)天空の城がみられる確率
(2)雲海は出現するが高度が高い、あるいは低いため、雲海の浮かぶ城にならない確率
(3)雲海が発生しない確率
の3つが分かるんです。

あす(12日)は、60%近い確率で天空の城に出会えそうです。