水俣病の救済の対象にならなかった128人全員を水俣病と認定し、先月、大阪地裁が国などに賠償を命じた判決を不服として、国と熊本県が控訴しました。
水俣病の症状がありながら救済の対象から除かれた128人が、国や熊本県、原因企業の「チッソ」に損害賠償を求めていた裁判で、大阪地裁は先月27日、原告全員を水俣病と認定し、国などに1人あたり275万円の賠償を支払うよう命じました。
「チッソ」は今月4日付けですでに控訴していましたが、国と熊本県もきのう、判決を不服として大阪高裁に控訴しました。
伊藤信太郎 環境大臣
「国際的な科学的知見や、最高裁で確定した近時の判決の内容等と大きく相違することなどから、上訴審の判断を仰ぐ必要がある」
控訴した理由について環境省は、今回の判決では、▼メチル水銀の濃度が水俣病の発症の基準とされるWHO=世界保健機関の指針を下回る場合や、▼メチル水銀を摂取してから長期間が経過した後でも水俣病の発症を認めていることなどを挙げています。
一方、控訴を受けて原告と弁護団は会見を開き、「原告は高齢化し、一刻の猶予もない。早期救済に向けて動いてほしかった」などと批判しています。
注目の記事
【独自】八丈島・土石流被害の教職員住宅は「土砂災害特別警戒区域」指定も都は入居者に説明せず 2度の改修要求も工事は行われず「ちょっと間違えば死んでいた」 台風22号・23号

20歳の娘は同級生に強姦され、殺害された…「顔が紫色になって、そこで眠っていました」 女子高専生殺害事件 母親が語ったこと【前編】

「ChatGPTと結婚しました」AIからプロポーズされ結婚式を挙げた女性(32)「相談していたら親身になってくれた」一方で葛藤も…【岡山】

誘導された避難先で“土石流直撃”「指定の避難所と別の場所に誘導」台風被害の八丈島 約3週間後も断水続く

「タバコがクマ対策に使える?」「大声を出すことは有効?」クマによる人的被害を防ぐ基本のQ&A 正しく知って無駄な衝突をしないために

名古屋の街に浮かぶ“UFO”? 日本唯一の「激レア信号機」はなぜ大須の街で生き残ったのか 知られざる歴史に迫る









