福島第一原発から出る処理水について、東京電力は5日午前、2回目となる海洋放出を始めました。養殖カキを手掛けている宮城県石巻市の水産会社は、海外への輸出が止まったため国内市場の開拓に目を向け、苦境を乗り切ろうとしています。

東京電力は福島第一原発の処理水について、5日午前10時18分に2回目の海洋放出を始めました。今後、17日間ほどの期間で1回目と同じ程度のおよそ7800トンの処理水を放出する予定です。処理水の海洋放出をめぐっては、今年度、4回に分けて行われる計画で、1回目は8月24日から9月11日まで行われましたが、東京電力は、設備にトラブルはなく周辺の海水や魚類の検査で問題のある値は出ていないとしてます。一方で、放出に反発する中国が日本の水産物の輸入を禁止するなど影響が続ています。

石巻市雄勝町の水産会社「海遊」では、2年ほど前から殻付きのカキを、香港やシンガポール、台湾に輸出しています。コロナ禍で落ち込んでいた売り上げをカバーしようと、年間でおよそ60トンを出荷していましたが、今年5月、すべてストップしました。

海遊 伊藤浩光社長:
「4月に香港に視察で行って、民間同士では輸入すると言っていたが、5月から国の意向があって輸入しないと聞いた。そこから実際に出荷がなくなった」

これを受け伊藤社長は、国内市場の新規開拓を目指し全国各地の商談会に参加するようになりました。その結果、首都圏のホテルなどと新たに取り引きが始まり、今年8月以降の売り上げは、前年比で1割から2割ほど増えたといいます。

海遊 伊藤浩光社長:
「今まで年に1、2回商談会に出ていたのを今年は9回出た。そのお陰で結構販売量が増えた。インバウンドのお陰で伸びているのかなと」

5日から始まった2回目の処理水の放出について、伊藤社長は安全性や透明性の確保により一層努めてほしいと話します。

海遊 伊藤浩光社長:「きちんと(放射性物質を)測定しているだろうからそれを信用して販売していくしかない。国や東京電力は解決できるように頑張ってもらえれば」

東京電力は「2回目の放出についても、初回と同じく計画通り放出完了できるよう最大限の緊張感を持って取り組んでまいりたい」とコメントしています。