危険な暑さが続くことしの夏。気になるのが、スポーツの試合を夜の涼しい時間帯にできないのかという問題です。20年前から学童野球の大会をナイターで行っている町を取材しました。

連日続く危険な暑さ。ことしの高校野球、夏の甲子園では、5回の終了後に10分間の休憩をとる「クーリングタイム」が導入されるなど、熱中症から守るための対策が行われています。

三重県菰野町にある野球場。午後6時半のプレーボールとともに、子どもたちの声が響き渡ります。

3日に行われたのは、菰野町にある4つの学童野球チームによる大会。およそ20年に渡りナイター設備を使って行われています。

普段、なかなか体験できないナイター設備を夏休み期間に利用してもらおうと菰野町が主催しているもので、元々は「暑さ対策」から始まったものではありませんが、保護者らにも好評です。

(保護者)
「日差しがないのですごく楽ですね。親も子どもも応援しやすいです。昼間はゆらゆら熱気が見えるくらい暑いので」
「見てる分には涼しくていいですね」

しかし、「過ごしやすい」と言っても手元の温度計は31度台。プレーの合間の水分補給は欠かせません。また、子どもたちは暑さを忘れてプレーに熱中しがちになるため、大人が注意を払う必要があるという意見も。

(保護者)
「暑さより野球。(試合に)出たら暑いとか言わないよね」
「近くにきたらお茶飲みなよとか言わんと夢中になると飲まなくなるから」

試合は終盤5回にホームランで逆転した菰野野球少年団が竹永野球少年団を下し優勝しました。

(球児)
「涼しい。いつもやと暑いんで集中が途切れてしまうが、夜の試合ならけっこういけます!」
「ナイターは涼しかったのでみんなバテてなかったし、普段声が出ていない子も出ていたと思う」

選手や保護者から好評のナイターの試合ですが課題も…。公営球場でも利用料金が1時間で5000円から1万円ほどかかったり、参加チームが多い大会では試合数がこなせない恐れもあるといいます。

一昔前とは異なる「夏の猛暑」。命に関わる危険もある中で、菰野町の取り組みは、1つの選択肢になるかもしれません。