吉野会長:風力発電の風車ですね。

風車!その数、世界に30万機以上というから、破壊ビジネスもかなりビッグになりそう。しかし、そこにはネックがあるらしく…

吉野会長:
間違いなく風の強いところにあるわけですから、非常に解体が難しいんです。

一般的な「風力発電の風車」の解体方法は、クレーンで上にあがり、羽根、発電機、鉄塔を強風の中で順番に下ろすというもの。でも、「ベステラ」の転倒工法は…

吉野会長:
「ワイヤーソー」というのが…所々に付いています。そこには、ダイヤモンドがついてて、これが回転することによって、コンクリートでも、鉄でも切断していく

このダイヤモンドがついた「ワイヤーソー」で、風力発電の風車を解体するとのこと。どうやるのかというと…

まず3つあった風車の羽根を、職人が切り取る所からスタート!

羽根をカットして本体だけにして、風車がタワー本体だけになったところで…「ワイヤーソー」で、風車の土台をスパッと切断。

高さ75mの風車の柱を、そのまま倒すという大胆すぎる「破壊」!

シンプルに見えますが、画期的だったのが…

吉野会長:
鉄でできた本体を切るということは、極めて難しいことです。脆弱になります。ですけど、その下に大きな基礎があると気づいたんです。この基礎をカットして転倒しやすくすると。この工法を考えたわけです。

金属製で中が空洞の風車本体の柱を普通に切ると、安定感がないのでいつ、どこに倒れるかが読めません。

ところが、風車の基礎である土台はコンクリ製で安定感があるだけでなく、締めてるボルトの本数をコントロールすることで、いつ、どこに倒すかがちゃんと計算できるのです。

吉野会長:
スカイツリーであろうとエッフェル塔であろうと、必ずコンクリートの基礎を持っています。ですから、これが世界中の解体の基本になっていくんじゃないかなと。

▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん: 2000年に大量の風力発電が建ったんです。耐用年数20年なんで。
加藤さん:風力発電って、20年しかもたないんだ。
森永さん:これから解体ラッシュが始まるんです。
吉野会長:風車は、ひとつの方向から風を受けて回り続けるんですね。鳥がぶつかったりもしますし、軸があるんですが、どうしてもガタガタするんですね。ですので、キャパの問題もありますが、長いこと使うのはなかなか難しいんです。
加藤さん:そういうことか。真ん中の軸がずれたら、ガタガタになってもうダメになりますものね。