■FIVB パリ五輪予選/ワールドカップバレー2023(30日、国立代々木競技場 第一体育館)
パリ五輪出場をかけたバレーボールのワールドカップが開幕。男子日本代表(世界ランク5位)はフィンランド(同28位)をセットカウント3‐2(25-17、25‐15、25‐27、19 ‐25 、15‐12)、フルセットの末下し白星発進となった。大会は3か国(ブラジル、日本、中国)に分かれて行われ、プールBには日本を含む8チームが出場。総当たり戦を行い上位2チームが五輪出場権を獲得する。
スタメンは主将の石川祐希(27)、山内晶大(29)、小野寺太志(27)、西田有志(23)、髙橋藍(22)、関田誠大(29)、リベロには山本智大(28)が起用された。
今年のネーションズリーグで銅メダルをつかんだ日本男子。この五輪予選では相手の厳しいマークをどう攻略するか。カギとなる最後の3連戦(セルビア、スロベニア、アメリカ)まで自分たちのバレーで白星を積み上げたい。
大事な初戦の第1セット。髙橋藍の速いバックアタック、石川、山内のサービスエースなどで日本が序盤からリズムを作った。中盤には石川が連続でサーブポイント。さらに西田にもサービスエースが出た日本。最後は途中出場の宮浦がアタックを決め、25-17で危なげなくセットを先取した。
第2セット、会場を沸かせたのは髙橋藍。ネットからやや離れたトスを相手側へ顔を向けずにトリッキーな〝ノールックアタック〟で得点。相手の強烈な攻撃には巧みなレシーブの後、自分で決めてポイント。さらに得意のフェイクセットも飛び出し、攻守のキーマンが躍動した。終盤には西田が強烈なサーブを相手コートに放ち連続得点、完全復調を印象付けた。日本はリードを保ったまま25-15でセットを連取した。
第3セット、序盤から点の取り合いに。日本は西田がサーブポイント、このセットから出場の髙橋健太郎(28)がブロックを決め、流れを渡さない。途中、天井に吊るされたテレビカメラのワイヤーが切れるハプニングで試合が中断する場面も。日本はラリーからリバウンドをとり攻撃陣が決めるというつなぎのプレーを随所に見せたが、フィンランドに粘られ、接戦の末、25-27でこのセットを落とした。
第4セット、フィンランドの好サーブからの攻撃に再び後手に回る日本。途中、西田に代えて宮浦を投入するが悪い流れを断ち切れない。終盤にはアタックを決めた石川が大きな声でチームを鼓舞したが、フィンランドに逃げ切られ19-25でこのセットも落とした。
ファイナルセットは、小野寺のサービスエースで日本がリード。髙橋藍のサービスエースも飛び出し先に10点に到達した。しかしフィンランドが好サーブから6連続得点し逆転。日本も粘りを見せ、山内のブロックなどで再逆転。最後は髙橋藍が決めて、日本が死闘の末、フィンランドをくだし大事な開幕戦を白星で飾った。
プールBには日本の他にアメリカ(2位)、セルビア(9位)、チュニジア(18位)、トルコ(13位)、スロベニア(8位)、エジプト(19位)、フィンランド(28位)。
日本は次戦、10月1日に、世界ランキング19位のエジプトと対戦する。
※世界ランキングは試合前時点
【最多得点髙橋藍選手コメント】
「途中で石川選手が交代となり自分自身がやらないといけない気持ちになった。10点以降の得点の取り方に対してこれまでの経験を活かした良い強みが出せたし、最後は気持ちの強さを出せた」
【日本の得点(上位)】
高橋藍 23点
西田 16点
石川 13点
【プールB・30日結果】
スロベニア 3‐0 チュニジア
トルコ 3‐1 セルビア
アメリカ 3‐0 エジプト
日本 3‐0 フィンランド