■ラグビーW杯フランス大会 1次リーグD組 日本代表 ー サモア代表(日本時間29日、スタジアム・ド・トゥールーズ)
日本代表(世界ランク12位)がサモア代表(同13位)を28-22で破り、W杯1次リーグ3試合を終えて2勝1敗とした。日本はサモアと順位が入れ替わりD組暫定2位に。勝ち点は合計9となり、2大会連続の決勝トーナメント進出へ大きく前進した。
前半はピーター・ラブスカフニ(34)が先制トライを決めるとリズムをつかみ、リーチ・マイケル(34)の今大会2トライ目で17-3とリード。だが前半終了間際にサモアにモールからのトライを決められ17-8で折り返す。後半は日本もモールから押し込んで反撃し、キャプテン・姫野和樹(29)の今大会初トライで再び流れをつかむ。終盤にかけてサモアの2トライで6点差に迫られたが、粘りのディフェンスで逆転負けのピンチを防ぎ、最後までリードを守り切った。
日本は試合前、勝ち点5で並ぶも得失点差で上回るサモアとの大一番に勝利。D組はイングランド(同6位)が3勝0敗でリードしており、熾烈な2位争いで優位に立った日本は、最終節(10月8日)のアルゼンチン(同9位)との一戦で1次リーグ突破を目指す。
スタメンはNo8に主将・姫野が入るなどFW陣はイングランド戦と変わらず、バックス陣にD・ライリー(26)、そして、レメキ・ロマノラヴァ(34)が今大会初先発となった。さらに試合直前にゲームメイカーの流大(31)が体調不良。齋藤直人(26)が急遽、今大会初スタメンとなった。
サモアはキックオフ直前に伝統に由来する踊りで自らを鼓舞する「ウォー・クライ」(戦いの叫び)を行った。サモアの儀式は「シバタウ」。これを日本は横一列になって肩を組み正面から受けた。7月22日のテストマッチでは22‐24と2点差で敗退も、過去W杯では2勝1敗と相性の良いサモア。さらにサモアは中5日と休養日が少なかった。
日本は序盤からサモアの攻撃を出足の速いディフェンスで守ると、裏へのキックでサモアバックスを走らせた。日本は連続攻撃でサモア陣内に入ったがファウルで攻撃を止めてしまった。
前半14分、日本はスクラムから展開すると、今大会初先発のレメキが相手のタックルに当たり負けせずサモア陣内に入り、最後はラブスカフニがトライ。さらに今大会10本キックして10回成功している松田力也(29)がコンバージョンキックを決め7-0と先制した。
だが前半24分、自陣ゴール前でファウルを犯すとサモアにペナルティーゴールを決められ7-3と詰め寄られた。その2分後、サモア陣内でファウルを貰うと松田がペナルティーゴールを狙い確実に決め、10-3と7点差に戻した。
前半30分を超えるとサモアのペナルティが増え、日本はスクラムから大きく右に展開。レメキがサモア陣内に入りポイントを作ると、今度は大きく左に展開し、サモアのディフェンスを翻弄すると最後はリーチ・マイケルが飛び込みトライ。さらに松田が角度のない所から安定したコンバージョンキックを成功させ、17-3。松田は今大会13本蹴って13回決めるキックを見せた。
前半37分に堀江翔太(37)が危険なタックルでイエローカード、8分間の退場となるとサモアのモールを抑えきれずトライを奪われた。コンバージョンキックは決まらず、17-8で前半を折り返した。