今月12日、ロッテ対DeNA戦(ZOZOマリン)でプロ初勝利を挙げたロッテの2年目、佐藤奨真(24)。持ち味は130キロ台のストレートに90キロ台のカーブを織り交ぜた緩急を活かしたピッチング。150キロ台のストレートを持つ投手が多いなか決して速いとは言えないが、相手バッターを手玉に取り、6回を投げ4安打2失点、自己最多7三振を奪った。

お気に入りはTWICE『FANCY』

プロとしての第1歩を踏み出した佐藤を後押しするのは、学生時代から大好きだった、韓国のアイドルグループ‘‘TWICE‘‘の『FANCY』。「最初はメンバーが可愛いなと思ってビジュアルから入ったんですけど、曲を聞いていたら何回も聞きたくなる曲だったので気が付いたらはまっていました。移動中も結構TWICEの曲を聞いていて、登場曲を決めるときも‘‘FANCY‘‘にしようとすぐに決めていました」。お気に入りの登場曲で本拠地ZOZOマリンスタジアムのマウンドへ。大好きな曲を聞き、試合モードに切り替える。

日々の疲れを癒すのは趣味の映画鑑賞。よく観るのは‘‘Marvel‘‘(マーベル)シリーズで、細かい伏線を紐解きながらストーリーを理解し楽しむ。「最近は『モービウス』とか『ヴェノム』を観ましたね。全部がつながっていてストーリー性があって伏線とかもいっぱいあるので、そういうのを探してつながった時がすごく気持ちいですね。いろいろな人の考察を聞いて、観るっていうのも好きです」。

「思いあがらずにしっかりと」

佐藤奨真選手

関東第一高校、専修大学を経て2020年育成ドラフト4位でロッテに入団した佐藤。プロ2年目を迎えた今年の開幕直前、背番号は「129」から「64」へ、念願の支配下登録を勝ち取った。

自分の投球スタイルは1軍で通用するのか。そんな不安は、登板3試合目となった今月4日、巨人対ロッテの一戦(東京ドーム)で解消された。相手は2年連続セ・リーグ本塁打王の4番・岡本和真(25)を擁する巨人だ。「自分では思った以上に、カーブと真っ直ぐのコンビネーションが通用したのでそこはすごい自信にはなりましたね」。低めにコントロールされたストレートと変化球に緩急が加わり、強力打線から凡打の山。7回を投げ4安打2失点の好投を見せた。

「カーブと真っすぐの緩急差も自分のスピードでも詰まったりもしているので、そういうのを見るとやっぱ1軍でもやっていけそうな気がするなっていうのはあります。いずれ100勝、150勝と重ねていけるような投手になりたい」と、自身の投球スタイルに手応えを感じ、大きな目標を見据えている。

「自分の中ではうまくいきすぎているかなというのもあるので、思い上がらずに、しっかりと明日から取り組んでいきたいと思います」。プロ2年目で支配下登録、先発4試合目でのプロ初勝利。目先の勝利には驕らず、24歳の左腕は大きな目標を見据え腕を振り続ける。

■佐藤奨真(さとう・しょうま)
1998年6月2日生まれ、24歳。東京都墨田区出身、関東第一〜専修大、左投げ左打ち。関東第一では3年春夏に甲子園出場。専大を経て20年育成ドラフト4位でロッテ入団。1年目は2軍で7勝5敗、防御率3・50。今季の開幕直前に支配下登録され、3月31日ソフトバンク戦でプロ初登板。