防府市の山口県立総合医療センターで、肺がんの男性に2度の投薬ミスがあり、その後男性が死亡した問題です。
25日、センターが会見を開き、主治医が電子カルテの入力を誤った可能性が高いなどと、いきさつを説明しました。

県立総合医療センターの院長「誤投与に関しまして、患者さまとご家族の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけしましたことを、心からおわび申し上げます」

県立総合医療センターによりますと、今年1月、末期の肺がんで一時退院していた61歳の男性に、けん怠感や食欲低下の症状を緩和するためのステロイド薬が処方されました。
このとき、主治医が誤って予定の11倍の1日あたり44ミリグラムを処方し、男性は10日間この薬を服用しました。
医師が電子カルテ上で「1錠」と入力するところを、誤って「11錠」と入力した可能性が高いということです。

男性が再入院したあとに薬剤師がミスに気付き、発覚しました。

また再入院から9日後には、痛み止めのモルヒネを朝と夕方に30ミリグラムずつ投与する予定を、看護師が誤って朝に1日分の60ミリグラムを投与したということです。

男性はこの2日後に肺がんで亡くなりました。
センターは一連のミスを認め、どちらも発覚した時点で男性と家族に謝罪しました。

一方、男性の血液検査の結果からステロイド薬の副作用の高血糖や高血圧などの症状はみられなかったため「誤った投与による重篤な副作用は生じておらず、死亡には起因しない」としています。

センターでは問題の医師と看護師に指導・注意をしたほか、研修会を開くなど再発防止策を取っているということです。