知人男性(当時31)の頭などを金属バットで何度も殴り、海へ転落させたとして、殺人未遂の罪に問われている男(26)の裁判(山口地裁・安達拓裁判長)。

検察は男に懲役5年を求刑しました。

殺人未遂の罪に問われているのは、山口県山口市の携帯電話販売員の男です。

起訴状によりますと男は、2022年8月31日午前2時ごろ、知人の男(24)と共謀して、防府市内の漁港の防波堤の上で、男性の頭などを複数回殴った上、男性を海中に転落させ、殺害しようとしたとされます。

男性は外傷くも膜下出血や脳挫傷など全治1か月のけがを負いましたが、命に別状はありませんでした。

これまでの裁判で、男は共謀の男が経営する会社の下請けとして働いて、金の支払いなどをめぐって元上司の男性の殺害を決意した共謀の男からの依頼を受け、犯行に協力したことが明らかになっていました。

男が釣り人のふりをして待ち伏せし、後ろから男性の頭を金属バットで1回殴りましたが、抵抗されもみ合いとなったため、共謀の男がバットを拾って男性を殴り、海に突き落としたということです。

26日の公判で検察側は「男は従属的な立場ながらも、最初の直接攻撃という重要な役割を果たしていて、男の加担がなければ犯行は成立しなかった」として懲役5年を求刑。

一方弁護側は、「男は恩人を助けたい、裏切れないという思いで犯行に加担したにすぎず、発案・計画・実行は共犯の男だった」懲役2年6か月・執行猶予4年が相当だと主張して、審理を終えました。

判決は9月27日に言い渡されます。