東京五輪200mバタフライ銀メダリスト・本多灯(21)。競泳男子唯一のメダリストとなった2021年の夏以降、国際舞台で存在感をみせ続けている。そして、日本競泳界の新エースとして200mバタフライと400m個人メドレーでアジア大会に挑む。200mバタフライの五輪メダリストで、本多の憧れの人でもある松田丈志さん(39)が本多に思いを聞いた。

松田丈志:
アジア大会に向けてどんな目標を持っていますか。

本多灯:
実は五輪、世界選手権には出たことはあるんですけど、まだアジア大会には出たことがないので、また違った緊張感があると思います。400m個人メドレーも200mバタフライも自信を持って臨めると思うので、まずは自分の泳ぎが出来るように、そして来年のパリ五輪を見据えた時に、200mバタフライで1分51秒台、400m個人メドレーで4分8秒、7秒台を出すことがすごく重要となってくると思うので、変わらずベストを狙って頑張りたいと思います。

ライバルは王冠閎選手 「負けないように頑張りたい」

松田:
アジア大会に向けて意識しているライバルはいますか。

本多:
200mバタフライの選手なんですけど、僕と同世代の王冠閎(オウ・カンコウ)選手(チャイニーズ・タイペイ)です。五輪にも世界選手権にも出ていて、2019年の世界ジュニア選手権の時も戦っています。その時は勝ったんですけど、コンスタントにタイムを出している選手なので、負けないように頑張りたいです。

本多選手にインタビューする松田丈志さん(左)

松田:
本多選手も他の選手からも注目されると思いますけど、その辺りはどうですか。

本多:
僕はまだまだ憧れていたい人で、色んな選手に。でも大会に出た時に本多選手サインくださいって言われるとすごく嬉しいです。憧れられる選手であり、憧れたい選手なので、もちろん色んな選手の行動とか見て勉強もしますし、逆に自分はこういうスタイルでレースをやっているんだっていうのを見せつけられるようにしたいです。

今年から一人暮らし 得意料理は”フレンチトースト”

松田:
環境の変化の部分も伺いたいと思うんですが、一人暮らしを始めて自己管理をする取り組みをされていると聞いています。その辺りはいかがですか。

本多:
僕は食事に関して全然知識がないので、頼れるところは頼る形です。今お世話になっているイトマンに栄養管理士さんがいるので、その方に「今日のご飯こんな感じなんですけど、足りないものがあったら教えてください」と連絡をとっています。例えば、「たんぱく質が足りないのでコンビニで買えるサラダチキンを入れてみたらどうですか」と定期的に教えてくれるので、食事に関しては実際にやって学ぶこともすごく楽しくて、今は充実しています。

松田:
自炊しているんですか?
     
本多:
基本的には自分で作った方が良いかなと思って、本当に簡単な生姜焼きとか、ブロッコリーとツナマヨのサラダみたいなものを軽く作ったりしています。

松田:
すごい!得意料理は?

本多:
得意料理…フレンチトーストです。
     
松田:
おお!おしゃれじゃないですか!

本多:
卵がすごく好きで、遠征に行った時にホテルとかでフレンチトースト食べるの好きなんですけど、家でも食べれたらなと思ってちょっと試行錯誤しながら作っていて、すごく楽しいです。

松田:
もう料理男子じゃないですか。

本多:
いや、本当にザ・簡単なもの。生姜焼きは入れて炒めるだけですごく簡単ですし、フレンチトーストに関してはフリーザーバッグにパンを入れて、卵の液を入れるだけでいい。食べることが好きなので、将来的に自分で美味しいもの作って食べれたら良いかなと思ってそのために今ちょっと頑張ってやっています。

松田:
以前の勝負飯はオムライスと聞いていたんですが、今の勝負飯は?

本多:
今はオムライスまでたどり着いてないんですけど、卵料理は入れています。オムレツとかも作れますし、チーズやハムを入れたりして、ちょっと不格好な卵焼きも作ったりしています。

松田:
最後にアジア大会に向けての意気込みを。

本多:
今年は世界水泳、インカレ(大学最後の大会)、アジア大会と大きな大会が3つあるのでどう疲れをとっていくのか、上手く調整していくことが大事だと思います。アジア大会は、最後の3つ目で一番きついとは思うんですけど、次につながる強化にもなりますし、自信につながる大きな大会だと思うので、やれることはやって緻密に計画を立てて挑んでいきたいと思います。

■本多灯(ほんだ・ともる)
2001年12月31日生まれ、身長173cm。神奈川県横浜市出身、日本大学4年。東京五輪200mバタフライ銀メダリスト。2022年世界選手権では同種目銅メダル獲得。今年の代表活動では、U-22の男子リーダーに任命された。趣味はアニメ鑑賞とガンプラ製作。アジア大会では400m個人メドレーと200mバタフライに出場。