【男子100kg超級】
日本代表の太田彪雅(25、旭化成)は「フルコース」。1回戦を勝ってからは、まず準々決勝で世界選手権で銅メダル2回のキム・ミンジョン(23、韓国)、続いて準決勝でもっかワールドランキング1位のテムル・ラヒモフ(26、タジキスタン)、決勝は5月のドーハ世界選手権銅メダルのアリシェル・ユスポフ(24、ウズベキスタン)かオドフー・ツェツェンツェンゲル(23、モンゴル)と、金メダルを取るためには優勝候補を全員倒さなければならない、非常に歯ごたえのある組み合わせ配置となりました。

担ぎ技ファィターのキムに勝ったあとは、太田が比較的苦手とする長身選手と連戦することとなります。上から抱き込まれてしまうと長所である組み手の強さが出しにくくなってしまいますので、ここに明確な対処を持ち込み、自分の形に繋ぎたいところです。

【女子78kg級】
高山莉加(29 三井住友海上)、馬 振昭(25、中国)、ユン・ヒュンジ(29、韓国)という3強の配置が綺麗に分かれました。髙山とユンが準決勝を戦い、勝者が決勝で馬と激突。準決勝からの2試合が大きなみどころです。純実力なら髙山がナンバーワン。波のある高山がしっかり力を出せるかどうかが、金メダルの行方を左右します。

東京五輪5位のユンはしっかり組んで内股を仕掛ける、技の切れ味で勝負する正統派。2022年世界選手権銀メダルのマーは左右に外巻込を仕掛け「バレていても馬力で投げ切る」パワー派です。

髙山もパワーが武器で得意は寝技。立って崩し、寝れば関節技「腕緘(うでがらみ)」で取り切るのが必勝パターンです。このところ、かつてのようながっぷり組んでからではなく、組み際にまず大外落や袖釣込腰を掛け、寝技に持ち込むパターンが増えています。おそらく安定感を考えて採っている戦い方だと思いますが、強者2人を相手に敢えて安定に振るのか、本来のがっぷり組んで大外刈を仕掛ける豪快な柔道に振り戻すのか。このあたりの見極めが、大きなポイントになるのではないかと思います。

【女子78kg超級】
2021年世界選手権の銀メダリスト・冨田若春(26、コマツ)は第3シード位置に配されました。準決勝でスウ・シン(32、中国)、決勝でキム・ハユン(23、韓国)と続く、強者2人との激突が見ものです。実績ならナンバーワン。優勝候補は間違いなく冨田です。

ただし、小柄な体ならではの機動力を生かし、世界の舞台で大型選手を翻弄して来た冨田ですが、アジアの舞台は少々勝手が違うかもしれません。スウは中国の「超大型の系譜」にあっては異色の短躯、筋肉質の身体を生かして腰をぶつけてくるタイプ。キムもパワーファイターですが、足技の上手い、どちらかというと技術の上手さで立つ型です。物凄くざっくり言って己と長所が重なるこの2人にどう勝ち切るのか。冨田が開ける、普段とは少し違う引き出しに注目したい大会です。

(TEXT by 古田英毅)

【柔道日程】
24日 女子48kg級、女子52kg級、男子60kg級、男子66kg級
25日 女子57kg級、女子63kg級、女子70kg級、男子73kg級、男子81kg級
26日 女子78kg級、女子78kg超級、男子90kg級、男子100kg級、男子100kg級
27日 混合団体

※写真はウルフアロン選手