アジア大会中国 杭州(23~10月8日)の柔道競技第3日、26日に行われる個人戦最終日(男子90kg級、100kg級、100kg超級、女子78kg級、78kg超級)のみどころをお届けします。大会前に日本代表選手の位置づけや各階級の有力選手などは解説させて頂きましたので、その後に決まった「組み合わせ」を踏まえたお話をしたいと思います。
【男子90kg級】
日本代表・田嶋剛希(26、パーク24)と、2022年世界選手権で金メダル獲得のダブラト・ボボノフ(26、ウズベキスタン)が準々決勝で激突。胸躍るカード、まさに注目の一番です。
ボボノフは大技一発の威力が目立つのですが、真の怖さは状況判断の上手さ。状況に合わせて都度ゴールを変え、ゴールに合わせて戦型も掛ける技も変えてきます。先に攻めて「指導」を狙う、圧を掛けて相手のミスを誘う、組み際に一発を狙う、敢えて掛けさせて返し技を狙う、など時間帯ごとに明確な目的を持って試合を運ぶ選手です。ウズベキスタンの選手はいったいに背中を抱いての腰技が得意ですが、ボボノフはこの一発狙いの戦型もこなせば、袖と襟を持ったオーソドックスなモードも得手。狙いを読まずになんとなく付き合っていると、どんどん出来ることが少なくなっていき、最終的には嵌められてしまいます。こちらもやりたいことを明確に、とにかく自分のペースで試合を運ぶことが大事です。
過去の対戦は1度のみ、2019年のユニバーシアード大会で、このときはボボノフが延長戦の末に「指導3」で勝利しています。豪快な担ぎ技というゴールを持つ業師・田嶋がどんなルートで戦うのか。ここに注目して見守りたい試合です。そしてこれが田嶋にとって、事実上の決勝と言えます。
勝てば準決勝はおそらくガントゥルガ・アルタンバガナ(28、モンゴル)。決勝の相手はエルラン・シェロフ(25、キルギスタン)、コムロンショー・ウストピリヨン(30 、タジキスタン)、アラム・グリゴリアン(25、アラブ首長国連邦)のいずれかと思いますが、ボボノフに勝つようであればまず金メダルは間違いないかと思われます。田嶋独特の打点の高い、豪快な背負投「一本」に期待しましょう。
【男子100kg級】
世界王者2人が激突する準決勝が見逃せません。2022年の世界王者「大巨人」ムザファルベク・ツロボエフ(23、ウズベキスタン)と、2021年東京五輪の金メダリスト・ウルフアロン(27、パーク24)の初対決。身長2メートルでしかも左右に大技のあるツロボエフを、柔道頭のいいウルフがどんな作戦で料理するのか。考えるだけでワクワクするカードです。
繰り返し書いてきた通り、ウルフの敵は己の中にあり。コンディション調整の良し悪しが全てを決めます。初戦は、突如2階級上げた81kg級の強豪ウラジミル・ゾロエフ(30、キルギスタン)との対戦。ここでまず調子を測りたいところです。準決勝でツロボエフに勝てば、決勝の相手はプロレス技なみの豪快な裏投を得意とするロシアからの移籍選手、ジャファル・コストエフ(24、アラブ首長国連邦)になるかと思われます。
パリ五輪代表争いに生き残るためには、なんとしても勝ちたい大会。ウルフの意地に期待しましょう。














