青森県八戸市の弁当製造会社「吉田屋」の弁当を食べ、体調不良などを訴えている人が全国で相次いでいる問題で、八戸市保健所は22日午前9時現在で33都道府県に流通状況の調査を実施し計2万2184個の弁当が製造・納品していたと公表しました。また、体調不良者は21日の発表から3人増えて301人になりました。一方で吉田屋は問題のあった弁当は12種類としていますが市は流通した59種類のうち異常のあった種類を絞り切れていなため全種類を調査するとしています。

弁当の詳しい製造数は以下となります。
9月15日製造・納品(消費期限2023年9月16日)
1万8,816個
9月16日製造・納品(消費期限2023年9月17日)
3,368個
流通状況について調査を実施した都道府県は以下となります。
青森県、岩手県、宮城県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、
千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、三重県、兵庫県、島根県、岡山県、
広島県、山口県、徳島県、香川県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県
【新規】
北海道、秋田県、新潟県、山梨県、長野県、大阪府

全国で301人が体調不良を訴えている吉田屋の弁当。食中毒を研究している専門家は、今回は毒素型の食中毒が混入していた可能性もあるとしています。その根拠として上げているのが弁当を食べてから短時間で症状が出ていることです。宮城県の30代の女性が9月16日に仙台市内で買った吉田屋の海鮮弁当です。

女性は、この弁当を6歳の息子と一緒に食べたあと2時間半後には下痢や嘔吐の症状が出たといいます。
弁当を食べた30代女性
「お米が少し糸を引いていましたが、めかぶ系やいくらが入っていたせいだろうと気にせず食べていました。変な味はせず普通に食べていました。」

女性は病院で治療を受けたあと自宅療養になりましたが息子は症状がより重く2日間入院して9月18日に退院しました。体調不良の原因として、どのようなことが起きていた可能性があるのか。青森県立保健大学大学院で食中毒や感染症を研究している大西基喜特任教授は宮城県の女性が症状が出たのは弁当を食べてから2時間半後と短時間であることが大きな特徴だとしています。

青森県立保健大学大学院 大西基喜特任教授
「多くの食中毒は、体で繁殖して効果が出るので、食べてから(症状が出るまで)2日くらいかかる。でも食べてすぐ(症状が出る)なら微生物だとすると黄色ブドウ球菌などの毒素型が(症状が出るまで)早い。」

八戸市は、吉田屋の弁当の製造施設に立ち入り調査などをして原因の特定を進めています。
