外国人観光客 もしもの時に情報得る方法は?
では実際に、金沢を訪れている外国人観光客はもしもの時どのような手段で必要な情報を得ようとするのか、聞いてみました。
外国人観光客
Q.避難所の情報とか全て日本語で書かれていたら?
「大抵の情報はスマートフォンのアプリから仕入れているから問題ないかな」
Q.携帯電話が停電で使えなかったら?
「そうなるとこの時代相当厳しくなるだろうね、その時までに備えなきゃね」
Q.標識を理解できなかったら?
「日本語の標識を写真にとって、翻訳すると思うよ」

多くの人がスマートフォンの機能を使って情報を手に入れるといいます。
金沢市でも紙で見ることのできる観光マップに避難所を載せるだけでなく、外国人観光客向けの防災サイトで避難場所を確認できるようにしています。
金沢市観光政策課 小川晶子課長
「マップに避難所の位置を入れることで避難しやすくなるのではという意見もあって掲載することになった」

もしもの避難マップが観光客に“伝わらない”可能性
ただ、せっかくのその避難マップも、何を意味するのか、伝わらない可能性があることを今後は視野に入れていく必要がありそうです。
外国人観光客
「いくつかのホテルには非常口がわかりやすく記してあるし、私たちも何回かその隣の部屋になって『非常口がわかるわね』みたいな話をしたけど、本当に災害が起きた時はどうしていいかわからないと思う」
金沢大学 井出明教授
「1回も地震に遭ったことがない人が避難マップを見ても、何を意味しているのか分からないので、マップを用意しても実は意味がないと今回痛切に感じた」

地震を経験したことのない外国人にすぐに避難が必要な理由を説明するのはとても難しいことだと言います。
井出教授は災害が起きた時、例えば、多くの言語に対応したマニュアルを配布できるようにしたり、発信した情報を確実に受け取ってもらえるよう、インターネット環境を整えることが、外国人観光客の不安払拭にも繋がる可能性があるのではと話します。
今回、モロッコで起きた大規模な地震を通して、「世界の交流拠点都市」を提唱する金沢市としても、さらに対策を講じるべき課題が浮かび上がってきました。