将来の安全性を確保するため「白杖」を持っての歩行訓練がスタート

もう一つ取り組んでいるのが、視覚障害者用の杖「白杖」を使った歩行訓練です。
(貞廣泉水さん)
「(法律で定められている)白杖か盲導犬か決まっているラインのギリギリらしくて、白杖を中学校から持つことになって。ちょっと嫌だな…」
法律では、目が見えない人や極めて視力が弱い人が外を歩く際、杖や盲導犬を利用するよう定められています。泉水さんは、日差しが強い屋外では眩しさから目を開けないこともあるため、杖は歩く際の助けにもなります。
杖の重さや段差での引っ掛かりなど、慣れない中でも歩行訓練士の指導で、杖を使って歩く練習を続けていました。来年は中学に進学し通学路も新しくなるため、初めての道でも歩けるよう、こうした練習が必要です。炎天下でも、長袖・長ズボン・帽子姿なのは、色素が少ないため紫外線の刺激に弱く、すぐにひどい日焼けになってしまうから。2時間おきに日焼け止めを塗ることも欠かせません。
(NPO法人の歩行訓練士・戸松伯子さん)
「徐々に大きくなって行動範囲が広がる時に、自分自身で白杖で確認し、安全を確保できる。具体的にはホームからの転落防止や、交差点を安全に横断できるとか。今すぐの緊急的な必要性というよりかは、将来に向けての安全性を確保するための練習。彼女も頑張って練習してくれている」
「学校が一番好き」積極的にやりたいことに挑戦する毎日

泉水さんにとって、小学生最後の夏休み。部屋のカレンダーには、親子陶芸教室やお祭りなど、学校や地域のイベントがたくさん書き込まれていました。
(貞廣泉水さん)
「(Qどうして予定をいっぱいにするの?)小学校の最後の夏休みだし、夏休みの親子教室とかは大体小6までで、中学生になって『あー行きたかった』ってなるのは嫌だから」
待ちに待った児童館の夏祭りでは、泉水さんは子どもスタッフとして運営を手伝います。役割は「ワニたたき」の案内係。泉水さんにとって一番の仲良しである、えなさんと一緒に盛り上げます。
(泉水さんの仲良し・えなさん)
「最初は外国人かなと思ったけど、普通に接しています。泉水ちゃんはおもしろい子だと思う」
充実の夏休みが終わり、迎えた新学期。泉水さんにとって、一番楽しいのは学校でした。教室では書見台に教科書を置き、時折黒板の文字を単眼鏡で確認しては、積極的に手を挙げます。
「アルビノは個性の一つ」と明るく話す泉水さんの世界は、成長するにつれてますます広がっていきます。
CBCテレビ「チャント!」9月13日放送より