新潟県村上市で調剤薬局を経営していた「ウィスタリア」が9月1日付で事後処理を弁護士に一任したことが分かりました。今後は破産による整理を予定し、負債総額は約1億2000万円とみられます。
民間の信用調査会社・東京商工リサーチ新潟支店によりますと、「ウィスタリア」は2005年に設立された調剤薬局で、「ウィスタリア村上薬局」として、新潟県村上市にある村上記念病院の患者を対象に、病院の前で薬局を展開。さらに2020年12月に新潟県の県北地域の基幹病院として開業したJA新潟厚生連・村上総合病院の患者を取り込むべく、「ウィスタリア緑町薬局」を開設していました。
しかし、他社との競争激化などで利用者が思うように伸びなかったことに加え、新型コロナウイルス感染拡大で“受診控え”の影響があったとみられ、22年3月期の売上高は、前期の約5000万円から約1700万円へと落ち込み、赤字を計上していたということです。
その後、23年3月期の売上高は約3200万円に回復したものの、赤字決算からの脱却には至らず、店舗新設に伴う投資負担も重かったとみられることから、今回の事態に至ったということです。負債総額は約1億2000万円とみられます。
東京商工リサーチ新潟支店によりますと、新型コロナウイルス関連の破綻は110件目だということです。