新潟水俣病の症状を訴えた住民が、国などに損害賠償を求めている裁判が10月に結審を迎えるのを前に、裁判官や原告らが阿賀野川流域などを視察しました。

【新潟水俣病第五次訴訟原告団 皆川栄一団長】
「裁判官に現地を見てもらったということは、非常に良いことだと思います」


新潟水俣病とは、阿賀町の昭和電工・鹿瀬工場から阿賀野川に流れ出たメチル水銀に汚染された魚を食べた人たちが、感覚障害等の症状を訴えているものです。
2013年に原告が、国と昭和電工を相手に損害賠償を求めて提訴しましたが、裁判は長期化し原告151人のうち28人が亡くなっています。

原告側はかねてから、法廷で証言した当時の暮らしなどを感じてもらおうと裁判官に現地視察を要望していました。そして、10月に予定される結審を控えた9月13日に裁判官が現地を訪れ、メチル水銀が流れ出た阿賀野川など8か所を回ったということです。


【新潟水俣病第五次訴訟弁護団 中村周而団長】
「阿賀野川とその周辺で生活している原告の皆さんの暮らしを裁判官に体感してもらったというところが一番大きい」


裁判は10月19日の結審の後、2024年春に判決が言い渡される見通しです。