「息子を廃人状態にしたのに謝罪の一つもありません…」
2023年2月、岡山市北区で車を運転し事故を立て続けに起こしながらも、その場から逃走した罪などに問われている男(22)について、岡山地裁で行われている裁判で、検察は男に対して懲役5年6か月を求刑しました。
被告は「丸刈りで上下黒のジャージ姿」で入廷、傍聴席を一目見て着席

起訴状などによりますと、岡山市の無職の男(22)は今年2月、岡山市北区で乗用車を運転中に、タクシーや他の乗用車に立て続けに衝突しながらも、その場から逃走した罪などに問われています。
ぶつけられた乗用車を運転していた男性(当時23)は、一時意識不明の状態になりました。

6月に開かれた初公判で、男は起訴内容について「すべて弁護士さんに任せています」とだけ述べ、認否を明らかにしていませんでした。
「息子には将来を約束した彼女がいた」
そして、9月14日の裁判の冒頭で、一時意識不明となった男性の父親が証言しました。
「事故後、息子は寝たきりの状態で、事故から4カ月過ぎてから、声に反応するようになり、今はリハビリに取り組んでいる」
「息子には、将来を約束していた彼女がいた」
「息子を廃人状態にしたのに、被告からは謝罪の一つもありません」
などと心境を語った上で、裁判官に「無念の思いを、少しでも晴らす判決を」と述べました。

検察は「『運転していたのは友人だった』と虚偽の供述を行っていた」など、行為は悪質だとした上で、被告に対して懲役5年6か月を求めました。
これに対して被告の弁護士は、「公訴内容を争わない」とした上で「被告は免許証がなく、再犯の可能性がない」などとして、寛大な判決を求めました。
