新潟県が13日に公表した「福島第一原発事故に関する3つの検証~総括報告書~」は、これまで3つの検証委員会と分科会から提出されてきた4つの報告書の内容をまとめたもので、その全87ページは新潟県のホームページにもアップされています。

新潟県では「専門家がつくった文章をいかにわかりやすく県民に伝えるかを考え、まとめた」としています。

県が最後の総括を行ったことには批判の声もあり、3つの検証を始めた当時の米山隆一前知事は自身のSNSで「単なる論点抽出に留まり、検証と言える様なものではなく、これで『終わり』として、なし崩し的に再稼働に向かう花角知事の在り方には、異を唱えたい」とコメントしています。

一方の花角英世新潟県知事は、専門家が総括した場合には「ひょっとしたらより違う角度で議論ができていたかもしれない」としながらも、県による総括については「客観性は保たれ問題はない」という認識を示しています。

また、再稼働については「今は結論はない」としました。


3つの検証が終わったことにより、県による“原発再稼働”の議論が動き出すことになりますが、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所は現在、すぐに再稼働できる状況にはありません。

所内でテロ対策の「不備」が相次ぎ、原子力規制委員会からは事実上の『運転禁止命令』が出され、そもそも東京電力には原発を運転する能力があるのかどうかという「適格性」を改めて問われるほどの事態となっています。

11日から始まった適格性の再確認をする検査作業には3か月程度かかる見込みで、「柏崎刈羽原子力発電所」は少なくとも、2023年内に再稼働するのが難しい状況となっています。