日経平均3万1000円割ったら買いのチャンス!10年後に「買っておいて良かった」

――近頃の経済指標が、局面の変化を感じられるようなものになりつつあるのですか。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
消費はまだいいのですが、労働市場とかが少し変調をきたしているのかもしれないです。アメリカの景気が減速、後退という話になるとそれは当然良くない。今株価はものすごく堅調なのですが、年内のどこかで1回3万円割れぐらいはシナリオとしては50%ぐらいの確率では起きると思っておいた方がいいと思います。うまくいって高値圏キープできる可能性も50%ぐらいあるのですが、どっちになったとしても2024年以降どうかと言えば、仮に3万円割れぐらいまで下がったとしても、また徐々に回復していくというのが普通の考え方でしょう。日本企業も業績がものすごくいいです。日本企業は10月下旬から11月に中間決算を発表します。多分今年は上方修正ラッシュになります。

――一旦3万円を割ってしまっても、そこがむしろ買いのチャンス?

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
僕はそう思っています。3万1000円割ったらもう買い始めていいでしょう。もうちょっと下がるかもしれないけれど、そこは何回かに分けて。やはり分散は大事ですから、何回かに分けて買い下がっていって、10年後に「あのとき買っておいて良かった」でいいと思います。

――近頃、株価が急上昇していたこともあって、投資に興味を示す方が日本でもすごく増えました。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
3万2000円とか3万3000円というのは、割高割安で言えばどっちでもないのです。ほどよい水準。3万円ははっきり言って割安です。日本企業の業績がこの先改善していくと、そのうち3万5000円が適正水準とだんだん切り上がっていきます。今3万2000円、3000円で買った人は全然高値づかみではないです。

――将来的に見れば安心してくださいと。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
何の心配もいらないです。そういうものです、株というのは。

――最後に相場の格言をいただきます。「株は5月に売って9月に買え」。どんな意味ですか。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
「Sell in May」という有名な格言があります。株は5月に売れという格言があるのですが、その続きに「9月に戻ることを忘れるな」もしくは「9月の第2土曜日までは戻ってきてはいけないよ」という続きがあるのです。

――9月の第2土曜日?

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
イギリスで有名な競馬レースがあるらしいのですが、時期的に9月の第2土曜日ぐらいまでは株価は軟調だったり、不安定なことが多いので、9月の中旬ぐらい以降にまた株式市場に戻ってくるといいというのを含んでいる言葉です。そこから年末にかけて株価は上昇しやすい傾向があると。

――もうしばらくのんびりと。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
これからの資産形成をどうしようかなと考えたり。つみたてNISAや一般NISAをやっていて、来年からの新NISAで金融機関を変更したい人は10月から手続きができます。またどこかでまとめてお話したいと思います。