大分県内で撮影がおこわなれた、話題の映画「春に散る」。制作した大分県豊後高田市出身の瀬々敬久監督に撮影の裏側やふるさとへの思いなどを聞きました。

佐藤浩市さんと横浜流星さんのダブル主演で先週金曜日から全国公開された映画「春に散る」。公開2日目の26日。この映画のメガホンをとった豊後高田市出身の瀬々敬久監督が大分市でおよそ150人のファンを前に舞台挨拶をしました。

(観客)「ボクシング映画の中では断トツにすごいなと思いました。舞台の一部が大分なのでぜひ見たいなと思ってきょうは来ました。大分のシーンは短かったんですけど、そこに大分が見えてすごく良かったです。感動でずっと泣いていました」

これまで日本アカデミー賞で優秀監督賞を受賞するなど、数々の映画を手がけた瀬々監督はボクシングに命をかけた男たちの人間ドラマを描いたこの作品で初めて、地元大分でのロケを行いました。

(瀬々敬久監督)「本当はやりたくなかったんですよ。僕は。恥ずかしいじゃないですか。地元で撮影するっていうのは。橋本環奈さんが故郷から出ていくシーンがあるんですけど、実際に佐賀関でやっている神社のお祭りを再現していただいて、結構大々的にやっていただいて、もう本当にありがたかったですね」

大分市木上や由布市挾間町でも撮影を行った瀬々監督は高校時代までを過ごしたふるさと大分への思いをこの作品の主要キャストの生きざまと重ねました。

(瀬々監督)「僕は高校卒業後、関西に行って東京に行ったわけですけど、自分の生まれ育ったところだけが特別な場所っていう感じがしますね。そういう意味でそこが起点というか、そこでの感覚っていうのが一生を左右してしまうんじゃないかと思うんですけど」

初めてふるさとで撮影した作品を瀬々監督は、多くの県民に見てもらいたいと話します。

(瀬々監督)「佐藤浩市さんと橋本環奈さんの故郷が大分というところからはじまってまして、そういう大分の風景というか風土というかそれが二人の生き方に根強く決定的なものを与えていると思いますので、ぜひ見ていただければと思います。

物語の主要なシーンで大分ロケが行われた映画「春に散る」は県内4つの劇場で上映されています。