福島第一原発の処理水放出を受け、中国が日本からの水産物輸入停止を発表しました。

岡山県から輸出されていた水産物に「マナガツオ」がありますが、先月(7月)から放射線検査の関係で冷蔵物の輸出が止まり、今回の発表で冷凍の輸出もできなくなります。

岡山県倉敷市の下津井地区にある第一田之浦吹上漁協です。この漁協で扱う瀬戸内海で獲れた「マナガツオ」が中国に輸出されていました。上品な味わいが人気で、高値で取引されていました。

しかし、きのう(24日)から始まった福島第一原発の処理水放出開始を受け、中国が日本からの水産物輸入を全面停止すると発表しました。

(第一田之浦吹上漁協 岡耕作組合長)「こりゃもう仕方がないんでね。無い知恵を絞ってですね、できるだけ漁師さんには影響がない単価で払えるような努力をしなきゃいけないかなと、それは思っております」

昨年度の岡山県漁連から中国への輸出は3.5トン・1041万円で、そのほとんどが「マナガツオ」でした。輸出されていなかった5~6年前は漁連の仕入れ値が1キロ1000円台でしたが、冷凍物の輸出がはじまると2000円台に倍増し、去年から始まった冷蔵物の輸出では3000円台まで上がったということです。

しかし、先月から放射線検査で通関の時間がかかるようになったため、鮮度が重要な冷蔵物の輸出が止まり、今回の発表で冷凍物の輸出もできなくなりました。輸出がストップすれば高く売れていた中国向けを国内で売らなければならないため、値段の低下が懸念されます。

(第一田之浦吹上漁協 岡耕作組合長)「まあ影響が長引かないことを願っております。(処理水の安全を示す)サンプルを公表するそうなので、そのへんをしっかりアピールしてもらって、中国との状況を改善していってもらったらいいんじゃないかと思います」

燃料代の高騰など厳しい状況が続く中、大きな影響が懸念される輸入停止の発表。日中の関係が生活に直結する漁業者から切実な声があがっています。