アイガモを田んぼに放ち農薬を使わずに稲を育てる「アイガモ農法」。雑草が増えるのを防ぐなどのアイガモの役割をロボットが担うという、最先端技術を使った農業の研修会が赤磐市で開かれました。

「ピヨ・ピヨ」
田んぼで雑草や害虫を食べてくれるアイガモ農法。そのアイガモと同じように働くことが期待されるのがこちらのロボット、その名も「アイガモロボット」です。

赤磐市の岡山県農業開発研究所で開かれた研修会で、農業団体の関係者らに紹介されました。アイガモロボットは東京のベンチャー企業が開発したもので、現在、国の研究機関などと共同で実証試験が行われています。
(西日本農業研究センター 浅見秀則さん)「ここにスクリューが2本ついていて、回転することで田んぼの水面をかき混ぜて、土がまきあがって水が濁って、雑草が抑えられる」

アイガモロボットに期待されるのが「除草効果」です。

スクリューが回り水田の水を濁らせることで水中にある雑草の光合成を阻害し、生育を抑制する仕組みです。稲は倒れることもありますが、またもとに戻るので影響はないということです。
実証試験では、アイガモロボットを使用したことで雑草の発生量を7割程度抑えられたということです、ロボットのエネルギーは太陽光で、GPSであらかじめ設定した航路を動きます。

(西日本農業研究センター 浅見秀則さん)「農家にとって労力をかけずにコメを作ってもらえる技術ができてくることが、みなさんにとって幸せなことなので、このロボットが全国的に普及してもらえれば、生産者も我々もうれしい」

化学肥料や農薬に頼らない「有機農業」への関心が高まるなか、農家にとって大変なのが除草作業です。「アイガモロボット」は農家を救う新技術として期待されます。
【解説】
研究チームによりますと、アイガモロボットを使用している田んぼでは害虫のジャンボタニシも怖がって逃げたといった事例もあるということで、今後、害虫への効果も検証していきたいということです。