東京電力は24日、福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出を始めました。県内の漁業者や消費者はどのように受け止めているでしょうか?

24日の午後1時3分、東京電力は、福島第一原発処理水の海洋放出を始めたと発表しました。政府は、放出計画が「国際的な安全基準に合致する」としたIAEA=国際原子力機関の包括報告書などを基に安全性を訴え、風評被害を懸念する漁業者の反対を押し切った形です。

放出開始を受けて大船渡の漁業関係者は。

(漁業関係者)
「まさか安全でないもの流すわけじゃないからだけども。俺にはちょっとわからないな」「(判断しきれない?)しきれないねぇ。海のことだから潮にのってこっちに来ることもあるだろうし、来ないこともあるだろうからね」

「だいぶ影響のことはあるべ。(処理水)そのものが害になるんじゃなく風評被害だな。まあ政府でどうにかするだろう」

盛岡でも話を聞きました。

(盛岡市民)
「反対の声もいっぱいあったのについに実行しちゃったんですね。近海の魚とかやはり心配かもしれない」

「震災から時がたって、風評被害なども落ち着いてきた中で、今回また放出となると、また被害がぶり返してしまうのかなと思うので、もうちょっとそこの部分の話し合いを慎重に行った方がよかったのではないか」

「消費者の面で言ったら、やっぱり不安の気持ちになるかなと思う。処理水という言葉自体がちょっと本当に大丈夫なのかなという気持ちになる」

「科学的に大丈夫らしいので、しょうがないのかなと思う。あれだけタンクがいっぱいたまっていてそのままにしておくわけにもいかないと思うので。海産物も大丈夫だと科学的に証明されているようなので、むしろ福島などの海産物を買って応援したいという気持ちはある」

海洋放出は廃炉完了までおよそ30年続く計画で今年度は合わせておよそ3万1200トンの処理水を放出するとしています。