東京電力は23日、新潟県の柏崎刈羽原発で「周辺防護区域」と「立入制限区域」で人の侵入を確認するため去年秋に設置した照明設備8台について、電源に接続しないまま点灯させていなかったことを発表しました。
新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所では核物質の防護上、周辺防護区域と立入制限区域それぞれの境目で“人の侵入を確認するため”に照明設備を備え、必要な明るさを確保することが求められていることから、東京電力では通常の街灯とは別に『LED照明』を幾つか2022年11月に追加で設置したということです。
ところが、正式運用を開始したのち、そのうちの8台について電源措置と接続せずに「不点灯」だったことが2023年6月9日に分かったものです。
なお工事終了後のテストでは、この8台を含む全ての増設照明の点灯は確認していたということです。
東京電力によりますと、不点灯が分かった翌日の10日以降は、電源装置の通電を確認し全ての照明を点灯していたということですが、8月23日に開催された原子力規制員会で、不点灯だったうちの1か所については「監視に支障がある照度」であったとの判断をうけ、今回の発表に至ったということです。
23日の原子力規制委員会では、柏崎刈羽原子力発電所における核物質防護措置の脆弱性の一部が解消されたことが確認されたとしていますが、東京電力では、照明設置後に夜間の点灯確認を行わなかったことや、照明設備の新設を巡視する見張り人に周知できていなかったことが原因だと受け止めています。
そのため東北電力として今後は、必要な情報が漏れずに伝わるようにマニュアルへ反映させると共に、防護設備のあるべき状態を見張り人が十分に把握できるように教育していくとしています。
柏崎刈羽原発を巡っては、制御室への不正入室問題をはじめ、同原発に関する失態が相次いで明るみに出たために現在、原子力規制委員会が事実上の『運転禁止命令』を出しています。