セクハラ疑惑について説明を避け続けている細田衆議院議長に新たな疑惑が浮上しました。去年の衆議院選挙で、地元議員らに金銭を支払い、選挙運動員の買収にあたるのではとの指摘が出ているのです。「ポスターを貼って7000円を受け取った」という市議は…

■細田議長 衆院選で“金”の疑惑 与党内「辞めざるを得ない」の声も


国権の最高機関のトップに数々の疑惑の目が向けられています。

9日、衆議院本会議で細田議長への不信任決議案が審議されました。

立憲民主党 吉田晴美衆院議員
「重なる失言、うんざりするほどの疑惑報道。議長自らが憲法や国会法を軽んじる愚行を重ねている」

立憲民主党は、セクハラ疑惑報道について十分な説明をしていないことなどを不信任の理由にあげています。さらに…

立憲民主党 吉田晴美衆院議員
「とうとう選挙違反、運動員買収という議長はおろか議員であることの正当性すら疑われる報道がなされた」

9日に発売の週刊文春が、細田議長が去年の衆議院選挙で選挙運動に関わった地元議員らに金銭を支払っていたと報じ、選挙運動員の買収にあたる疑いがあるとしたのです。

金銭は、ポスター貼りの対価として「労務費」という形で支払われていたとしています。

JNNの取材に2人の地元議員は、金銭を受け取ったことを認めました。


金銭を受け取った森脇幸好 松江市議
「幹事長ですから、ポスター貼りを自らやった。1枚200円だから35枚だったと思います。(受け取ったのは)7000円か」

記者
「問題は無いか?」

金銭を受け取った森脇幸好 松江市議
「そうですね」

細田議長が乗る「選挙カー」を先導した議員は…

金銭を受け取った柳原治 松江市議
「先導が終わって先導車を返して、その日は一応、選挙運動が終わったということで、今度はポスター貼りを」

市議は、こう主張しますが専門家は、公職選挙法に違反すると指摘します。


神戸学院大学法学部 上脇博之 教授
「選挙運動をする人と報酬をもらって単純な機械的な仕事をする人は完全に分離しないといけない。選挙運動をするならポスターは無償でやらないといけない」

次々と疑惑が報道されるなか与党は…

自民党 丹羽秀樹 衆院議員
「人格高潔にして温厚と言われている細田議長に対し、不信任決議案を突き付けるのみならず、議会を停滞に陥れる行為は言語道断であり…」

そして、国民民主党や日本維新の会が退席する中…

海江田万里 衆院副議長
「否決されました」

細田議長への不信任案は与党の反対多数で否決されました。

その直後、本会議場に姿を現した細田議長は議長席に戻りました。


相次ぐ疑惑に自民党内からも「参議院選挙後には細田議長は辞めざるを得ない」との声が出始めています。

記者
「疑惑を持たれたままでいいのか?」
「はっきりしないと政治不信を招くが?」
「終わりよければ全て良しか?」

細田議長は、記者の質問には答えませんでした。