ハワイのマウイ島で8日、発生した山火事。アメリカの山火事としては過去100年余りで最悪の被害と言われています。迫りくる炎の中、海に飛び込み避難した男性がJNNに当時の様子を語りました。
8日、ハワイのマウイ島で発生した山火事。大きな被害を受けた町、ラハイナに住むユーカートさん(61)は、自宅から避難する様子を記録していました。
ダニー・ユーカートさん
「悪夢だった」
当初、車で避難していたユーカートさん。
ダニー・ユーカートさん
「なんてことだ、こんなことになるなんて」
しかし、道路は同じく避難する車で渋滞し、一切動けなくなります。
ダニー・ユーカートさん
「熱がどんどん入ってくるよ。これは…なんてことだ。兄弟たち、父さん、母さん、息子よ、みんな愛しているよ」
ユーカートさんは車を乗り捨て、道路沿いの海岸に。
激しい風が吹く中、岸壁には人々が熱風や煙から逃れようと身を寄せていました。近くまで迫っていた炎はやがて、車を置いてきた道路にまで達します。
ダニー・ユーカートさん
「むちゃくちゃだ。そこにあるのが僕の車だ」
車は焼け焦げ、周囲の建物は骨組みだけ残して焼け落ちました。
ユーカートさんは、岸壁に身を寄せている間は呼吸もできない状況だったと語ります。
ダニー・ユーカートさん
「目の前で火を噴射されているようでした、まさにこの距離で。息ができない、窒息してしまうようだった。そばにいた二人の男性が犠牲になったんだ」
そして…
ダニー・ユーカートさん
「海に飛び込みました。手を上に伸ばして熱さを確かめて、そこまで熱くないのを確認すると、水中から頭を出して呼吸していました」
3時間後、消防隊員に救出されました。避難所に向かう道では周囲でサイレンが鳴り響き、電柱が傾いていました。
ダニー・ユーカートさん
「地獄から戻って来たと言っても過言ではありません」
ユーカートさんは手や顔、脚にも火傷を負いました。その跡は生々しく残っています。
ダニー・ユーカートさん
「諦めかけましたが、諦めなくて良かったです」
ラハイナでは2200棟の建物が焼け、再建には日本円にして8000億円が必要とされています。町が完全に焼け落ちてしまった中、ユーカートさんは別の場所に住むことを検討していますが、これからも地域に寄り添いたいと話します。
ダニー・ユーカートさん
「マウイや地域のみんなが立ち直れるように、できる限りのことをしていきたい」
また、山火事による死者はこれまでに93人確認され、いまだおよそ1000人の安否が分かっていません。現場では現在も捜索が続いていて、犠牲者はさらに増えるおそれがあります。
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