11日は山の日です。
上高地は、自然に親しもうという大勢の観光客や登山客でにぎわいました。

この日の上高地は雲一つない青空が広がり、大正池の湖面には穂高連峰の稜線がまるで鏡のようにくっきりと映し出されていました。
河童橋の周辺は家族連れや登山に向かう人たちでにぎわい、下界の暑さを忘れさせる涼しさの中、記念写真を撮ったり散策したりして楽しんでいました。

埼玉県から: 「きょうは前穂高岳に登ろうと思ってます。普段都会の方だと見れないような自然の中で、綺麗な空気吸って、気持ちよく歩いくというところがやっぱりいいなと思います」

神奈川県から: 「YouTubeでよく見てて」 「上高地は初めてです。全然違う。実際に見た方がもう全然もう、感動的」
淡路島から: 「こんなに山に囲まれてないから海ばっかりだから山新鮮です。おばあちゃんとまた行く」
その河童橋で変わった台車をひく一人の男性を見つけました。
千葉県のアマチュア画家=渡辺勝夫(わたなべ・かつお)さん・84歳です。

60年以上、毎年夏の間は上高地のキャンプ場で暮らしながら、穂高連峰を描き続けてきました。
渡辺勝夫さん: 「1万、2万は描いてるよ」 なんで上高地描いてるんですか?「山に聞いてくれってなっちゃう。山見りゃせりふないよな」
渡辺さんの絵の特徴はその立体感。
白色で下塗りしたキャンパスに、色のついた油絵の具を幾重にも塗り重ねていきます。
渡辺勝夫さん: 「山の重量感と川の透明度が欲しいよな。感動なくなっちゃったら上高地来なくなる」

この絵が仕上がるのは山々が紅葉で染まる秋。
四季の移ろいを感じながら渡辺さんは少しずつ筆をすすめていきます。
コロナ禍を経てにぎわいが戻った上高地。
7月までの人出はコロナ前の2019年より増えているということで、山岳リゾートは本格的な夏山シーズンを迎えています。