福島県相馬地方の伝統行事「相馬野馬追」で、今年、猛暑の影響で去年の4倍の救護者が出たことなどを受け、執行委員会は10日に会議を開き、開催時期を前倒しする方針を決めました。

南相馬市・門馬和夫市長「人馬ともに熱中症が発生した状況を鑑みて急遽、時間を置かずに第一回の検討会を開く」

10日、南相馬市で行われた緊急の会議。検討が進められているのは、伝統行事・相馬野馬追の日程変更です。

1000年以上続き、国の重要無形民俗文化財に指定されている相馬野馬追。毎年7月の最終土曜日から3日間開催されていますが、問題となっているのは“暑さ″です。

今年は猛暑の影響で期間中、観客や騎馬武者など83人が熱中症の疑いで救護されました。その数は、去年のおよそ4倍に上ります。

暑さの影響は、祭りには欠かせない馬たちにも。今年は、361頭の馬が出場しましたが、111頭が日射病で救護され、2頭が死にました。

こうした状況に街の人は…。

南相馬市の40代男性「涼しければいいですけど、今回馬が亡くなったというニュースを観たので、ああいったことがないような時期にやってほしい」
南相馬市の60代女性「野馬追はこの時期でやったほうが野馬追が来たという感じですけど、馬も死んでしまうような感じでは(日程変更は)仕方ないとも思う」

10日の検討会で、祭りの執行委員会は、開催時期を前倒しする方針を全会一致で決めました。候補については、委員から「5月下旬から6月上旬」という意見が出たということです。

次回の検討会はお盆明けに開かれ、具体的な開催時期について協議します。