書店がない地域に本に親しむ機会を提供しようという全国初の取り組みです。全国でリユースショップを展開する企業が2日、岩手県西和賀町の公共施設の一角に書店をオープンさせました。

 2日オープンしたのは、「ふるさとブックオフ西和賀町湯本屋内温泉プール店」です。この日は、書店を営業するためのスペースを提供した西和賀町の内記和彦町長と、書店の運営会社の親会社ブックオフグループホールディングスの堀内康隆社長らがテープカットでオープンを祝いました。

 この店舗は、ブックオフが書店のない地域に本の売り場をつくるプロジェクトの一環でオープンさせたもので、西和賀町の店舗が全国で初となる1号店です。出版文化産業振興財団の調査によりますと、全国で書店のない市町村は26.2%にのぼり、県内でも西和賀町を含む7つの市町村に書店がありません。

(町の子ども)
「怖い本が好きだからこういう本もあるのが嬉しい」
「恐竜の本を読みたいです」

 町で子育てをする親たちも書店のオープンを歓迎しています。

(子育てする親)
「うちの息子たちは本が好きなのでこういうところに来れて買える場所があるのは良いこと。狂喜乱舞だと思う」

 電子書籍が普及し、紙の書籍の市場が縮小するなか、ブックオフにとってもこの店舗が成功するかが今後の試金石となります。

(ブックオフグループホールディングス堀内康隆社長)
「コンパクトな売り場ながら選ばれた本はみんなで相談して決めたと聞いている」「思いが詰まった売り場。広がりを期待したい」

 書店には町内で廃校となった小学校の本棚が活用されているほか、町が英語教育に力を入れていることから、児童向けの洋書も扱います。書店のない地域に読書の機会を提供する全国初の取り組みに、今後も注目が集まりそうです。