日本銀行は、きょうまで開かれた金融政策を決める会合で大規模な金融緩和策の修正を決めました。長短金利操作の運用を柔軟化し、これまで0.5%程度としてきた長期金利の上限について、0.5%を超えることも容認します。
日銀は、先ほど、大規模緩和の一環で行っている「長短金利操作=イールドカーブ・コントロール」の運用を柔軟化することを決定しました。
日銀はこれまで、2%の物価上昇を安定的に実現するため長期金利の上限を「プラス0.5%程度」に設定、上限を超えた場合には、大量の国債の買い入れて長期金利を押さえ込んできましたが、今後は運用を柔軟化し、上限を0.5%程度としつつも、市場の動向に応じて1.0%程度までの動きを容認します。
日銀は、「経済・物価をめぐる不確実性がきわめて高い」としたうえで、「上下双方向のリスクに機動的に対応していくことで金融緩和の持続性を高める」としています。
「イールドカーブ・コントロール」をめぐっては、日銀が国の借金である国債の大量購入を強いられ、日銀による国債の保有割合が50%を超えるといった異常な事態を招いたほか、市場機能を低下させるなどの副作用が指摘されていました。
日銀は、運用を柔軟化することで、こうした副作用を軽減する狙いがあると見られます。
発表を受け、東京外国為替市場では円を売って、ドルを買う動きが急激に強まり、1ドル=141円台前半まで円安が進みました。
また今回、3か月ぶり公表した物価情勢の見通しでは、生鮮食品を除く消費者物価指数の上昇率について、▼2023年度は1.8%から2.5%に引き上げ、▼24年度は2.0%から1.9%に引き下げ、▼25年度は1.6%で据え置きとしました。
植田総裁は午後に記者会見を開き、今回の決定の理由などについて説明する予定です。
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