関西電力は7月28日午後、福井県にある高浜原発1号機を再稼働します。実に12年7か月ぶりの稼働で、運転開始から40年を超える、いわゆる“40年超”原発が稼働するのは、国内で2例目です。さらにこの高浜1号機は、国内初の“60年超原発”となる可能性もあります。

1974年運転開始“国内最古”の原発

高浜原発1号機は1974年11月に営業運転を開始。廃炉中のものを除けば、“国内で最も古い”原発です。

東日本大震災より前の2011年1月に運転を停止し、テロ対策施設の整備など、国が定めた新たな安全基準への対応が長年行われてきました。

営業運転開始からすでに40年を超えていますが、2016年に国から「20年の運転延長」を認められたため、2034年までの運転が可能になっています。

“火災防護不備”で当初予定より再稼働ずれ込む

高浜1号機について関西電力は当初、今年6月の再稼働を目指していましたが、国の原子力規制委員会から火災防護策が不十分という指摘が入った影響で、再稼働がずれ込んでいました。

その後、修正した火災防護策が承認されたことなどを受け、関電は燃料装荷に着手。7月28日午後3時に制御棒の引き抜き作業を開始し、原子炉を起動させる予定です。7月29日には核分裂が安定的に続く「臨界」に達し、8月2日には発送電も再開される予定です。

高浜1号機の稼働は実に12年7か月ぶりで、関電の原発7基のうち6基が稼働する状況となります。残る1基の高浜2号機も、今年9月に再稼働する予定です。

“40年超原発”の稼働は美浜3号機に次いで国内2例目

運転開始から40年を超える、いわゆる“40年超”原発が稼働するのは、関電の美浜原発3号機に続き、国内で2例目です。

さらに今年5月の法改正によって、「最長で営業運転開始から60年」とされてきた原発の運転期間について、“安全審査などで停止していた期間”を除外することが可能になりました。このため高浜1号機は将来的に、国内で初めて、いわゆる“60年超原発”として稼働する可能性もあります。