物価高が続くなか、アメリカの中央銀行に当たるFRB=連邦準備制度理事会は政策金利の引き上げを再開し、上限を年5.5%とすることを決めました。一方で、「学生ローン」の返済がアメリカ経済の先行きに暗い影を落としてます。
アメリカ バイデン大統領
「学生ローン1万ドルの返済を免除します」
バイデン大統領が去年打ち出した、肝いりの政策「学生ローンの返済の免除」。1人あたり1万ドル=およそ140万円が免除されるというものでしたが、先月、連邦最高裁がこれを認めないと判断。学生らが抗議の声をあげました。
デモ主催者
「バイデン大統領は別の学生ローン救済策を発表すべきです」
さらに、コロナ禍では返済が一時猶予されていましたが、8月末でそれも打ち切られることになりました。
記者
「大学の学費が高いアメリカでは、4000万人を超える人々が学生ローンの負債を抱えていて、返済再開は大きな影響があります」
学生ローンを抱える人
「3万ドル(約420万円)借りています。外食やウーバーイーツの利用を減らさないといけません」
学生ローンを抱える大学生
「まだ多くの人がコロナから経済的に回復できていないと思うので、返済再開は賛成できません」
2010年に大学院を卒業したマシューさんは、13年たった今も多額の学生ローンを抱えています。
ルース・マシューさん
「2010年に大学院を卒業する際に、8万ドル(約1120万円)借りていました。13年経って今は12万5000ドル(約1750万円)を超えています」
ローンの残高は、およそ1800万円。今後は毎月14万円以上の返済が必要になる見通しです。
ルース・マシューさん
「返済が再開すれば、友人と外食や映画、娯楽を楽しむことはほとんどなくなりそうです」
学生ローンの返済が再開されれば負債をかかえる人たちの消費が落ち込み、景気が悪化するとの指摘もあります。しかし、FRBは…
FRB パウエル議長
「最近の経済は堅調で、FRBのスタッフは景気後退を予測していません」
楽観的な予測を強調しますが、景気の先行きに学生ローンという大きな重しがのしかかっています。
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