山梨県内では大規模な醸造用ブドウ畑が北杜市などで次々と作られています。
その背景は。

山梨県甲州市勝沼町。

ワイン醸造用のブドウが色付く季節です。

国内で栽培されたブドウを使った日本ワインの生産量は、山梨は全体の3割を占め全国一です。

甲州市はその代表的な産地ですが、今醸造用ブドウ畑として造成が進められている場所がほかにもあります。

甲斐駒ヶ岳の麓、北杜市武川町中山地区。

耕作放棄地などを集約し山梨県が造成を行うこちらの広さは40haで、ブドウだけの畑としては日本最大級のものです。

ここで栽培するのは甲州市のフジクレールワイナリーです。

フジクレールワイナリー 栽培責任者 久保田博之さん:
こちらは赤ワインの原料、メルローになります。

広大な土地の一角を試験圃場にして、ヨーロッパ系の5品種を2023年5月に植えました。

この場所でも栽培しようと思った理由は。

フジクレールワイナリー 澤村貫太社長:
やはり気候変動の問題が大きいかと考えている。

ワインの醸造用ブドウに適した気候は、日照時間が長くて雨が少なく、1日の寒暖差が大きいことなどが挙げられます。

澤村社長:
(全国的に)雨の降り方が予想できないような降り方をする、ゲリラ豪雨的な。ベトであるとか晩腐とか、醸造用ブドウ独特の病気にかかりやすい。

標高600mのこの場所は比較的栽培に適していて、大規模な畑の整備がフジクレールワイナリーの事業拡大のタイミングと重なったため、こちらを借りることになったのです。

久保田さん:
夜は温度差が格別にあり、浸透性がよく、とても水はけのよい圃場になっている。

ほかにも新しい畑で取り組むワイナリーがあります。