夏の高校野球長野県大会は、27日に決勝が行われますが、甲子園で県内最多勝利をあげている日本ウェルネスの中原英孝(なかはらひでたか)監督が2023年限りで勇退します。

名将の最後の夏を追いました。

筑北村の山あい、日本ウェルネス長野の野球部。

指揮を執るのは中原英孝(なかはらひでたか)監督78歳。

甲子園春夏合わせて11回出場、県内の監督としては最多の14勝を挙げるなど、高校野球の歴史に名を残してきました。

いまの部員は60歳も下の孫世代ですが、部員に負けず劣らず、元気いっぱいです。

■中原英孝監督
「元気な姿を生徒にも見せていないといけないし弱い姿を見せないユニホームを着て出るときは自分でも元気を出せと言い聞かせて来ている」

指導歴40年の節目となる今年の夏を最後にユニホームを脱ぐ決断をしました。

池田町出身、松商学園、明治大学で内野手として活躍した中原監督は、大学卒業後すぐに母校の指揮をとることに。

1991年には、エース・上田佳範(うえだよしのり)を擁し、センバツ準優勝を果たしました。

手腕を買われ2005年からは長野日大の監督に就任。

わずか3年でチームを春夏通じて初の甲子園に導くと、センバツベスト8の快挙を成し遂げました。

■中原英孝監督
「学校は3つ違うが一生懸命やって生徒がどんどん伸びてきてくれることが一番楽しかった」

2016年の開校にあわせ日本ウェルネスから声をかけられた中原監督。

チームを率いて8年、秋の県大会で優勝するなど成果を残し指導をする後継者も育ったことから、一線から退くことを決めました。

■中原英孝監督
「ウェルネスでも生徒がきちんと私の思いに応えて自分を磨いてくれて県下のある意味でもトップクラスの域にも達してくれたそれと同時に自分の年齢的にも一番迷惑をかけないいい時期じゃないかなということ」

中原監督が指導した選手は40年間で実に1200人以上。

高校野球の目標は「甲子園」ですが、目的は「人間教育」だと話します。

プロ野球ヤクルトスワローズで活躍する赤羽由紘(あかはねよしひろ)内野手。

中原監督の教えを乞い開校したばかりのウェルネスに入学し野球以外の指導も多く受けました。

■赤羽由紘内野手
「ゴミ拾いとかもそうだが、トイレでスリッパ整えたり、最初来た時よりも綺麗にして帰るとか、当たり前のことを当たり前にできるようにというのはすごく教えてもらった」

その教えはプロの世界に入った今でも支えとなっています。

■赤羽由紘内野手
「努力し続けることが大事と監督からすごく教わったので今でもなかなか結果でないときとかあるがそこで折れるのではなくて今後のためにも努力をし続けようと思っている」

■中原英孝監督
「厳しいことも言いますしできるようになれば褒めるし真っ正面から向き合ってきたのが一番いい今でもと思っている」