
ところで最近、華々しい舞台で一門が集ったのは、2019年の杉本師匠の昇段パーティーの時でした。
藤井さんも師匠に花束を渡して、この時のコメントがユニークでした。

(当時の藤井七冠)
「自分が奨励会に入った時から、すごくお世話になっています。自分が成長できたのは師匠のおかげだと思っていて、この舞台で花束を贈ることができて、とてもうれしい」

(当時の杉本師匠)
「彼も非常に、お世辞が上手くなったなと。でも大変うれしく思います」
もう2人とも漫才師のように息がピッタリでした。

では、その杉本一門には、どんな教えがあるのかということを杉本師匠にお聞きしましたら、こういう教えなのだそうです。
「棋士がめしを食えるのは勝つからではなくファンがいるからだ」。
これは杉本さんの師匠の板谷九段からの教えということです。

ちょっと意外ではないですか。
将棋の戦法に関することとか心構えなのかと思っていたら、こういうことなんですね。
ですが藤井七冠のコメントを見ると、やっぱりファンサービス、ファンを大事にしているなということが垣間見えますから、この教えがしっかり生きているということが言えるんだと思います。