記録的豪雨から2週間。大分県内でも特に被害が大きかった日田市では復旧作業の長期化が懸念されています。

(田辺記者)「日田市鶴河内の上宮町では河川が氾濫し住宅に大きな被害が出ました。現在は重機による土のうの積み上げ作業が進められています」

日田市鶴河内の上宮町では川沿いに被害が集中。2017年の九州北部豪雨に続いて大きな災害に見舞われたことで、さらなる人口流出も懸念されています。

(転出した元住民)「ここに家があったんですけど、(九州北部豪雨で)取り壊して市内に引っ越した。もう帰って来ない人が多いのでは、こんなに続いていると」

一連の豪雨による被害総額は日田市で95億9000万円。このうち、8割以上を占めるのが道路や河川など土木建築関係で、各地で復旧に向けた準備が進められています。

(県防災エキスパート技術者・梅木裕次郎さん)「災害の査定に向けてとにかく早く申請して早く復旧工事に入れるようにするのが大事」

農林水産業への被害も深刻です。日田市東有田でスイカを栽培している梶原真悟さん。豪雨の影響で、一部のつるや葉が枯れてしまったため1000個以上のスイカが出荷できなくなりました。

(スイカ生産農家・梶原真悟さん)「あれはもう出荷できないです。今から出荷のピークというところなので、タイミングはよくないですよね。みんな心を折らずに一生懸命いいスイカを出すためにがんばっている」

一方、先行きが見えない地域もあります。

(田辺記者)「土砂崩れ現場は手つかずの状態となっていて、復興の長期化が予想されます」

裏山の急斜面が崩落した日田市鶴城町。今も避難指示が出されたままの状態で、復旧作業が始まる見通しは立っていません。

大鶴公民館にはこの地区の5世帯9人が避難していて、避難生活の長期化が避けられない状況です。

(避難している梶原正春さん)「どっちみち工事が終わるまで帰られないですよね。たまらないですよねストレスが」

2週間が経っても復旧への道筋がみえないところもある豪雨の被災地。もとの姿を取り戻すまでには時間が必要です。