静岡県三島市の個人メーカー「乙女印刷」の中山恭子さん。2023年6月、静岡市の松坂屋静岡店が開いた「文具の展示販売会」に出店し、フルーツポンチの封筒やヒマワリのポストカードなど、夏にぴったりなデザインの紙雑貨を揃えました。
<来場者>
Q.どういったところが魅力ですか?
「便箋とかカードとか元気が出る色なので好きです」
「1枚1枚ちょっと違ってくると聞いたので、かわいくて面白いなと思いました」
同じ柄でも微妙な色の違いがあるのは、「活版印刷機」で刷っているからなんです。
<乙女印刷 中山恭子さん>
「黄色はプリンの土台です」
Q.どういった印刷の仕組みですか?
「閉じた時に印刷がされるんですけど、閉じた時にローラーがインクを拾って、版にインクをつけます。(版の)出ているところにインクがついて、引っ込んでいるところはインクがつかないという仕組み」
「活版印刷」は凸型の版を作り、圧力をかけて紙にインクを転写する印刷方法です。中山さんはいくつもの版を作り、色を重ねて刷っていきます。1つの版で使うインクは1色。プリンのカラメルを表現するため、茶色のインクに変えます。
<中西結香記者>
「すごい、プリンになっている!」
子どもの頃から紙雑貨が大好きだったという中山さんは7年前、勤めていた会社を辞め「乙女印刷」を立ち上げました。自宅で作業ができるアンティークな活版印刷機と出合い、これまで100種類以上もの紙雑貨を作ってきました。簡単そうに見える作業ですが、印刷に失敗することもあります。
<乙女印刷 中山恭子さん>
「ちょっと、ここが“やんちゃ”になっていますね。(プリンの位置がずれる)こっちのプリンのグラスに入っている感じと、ここが違いますよね。ミリ単位でかわいいとか、かわいくないとかあるので直します」
刷り直すと…
<乙女印刷 中山恭子さん>
「あ、大丈夫、ばっちりです」
最後にサクランボを印刷してプリンのポストカードが完成!手作業のため、1日に刷れるのは100枚ほどです。
<乙女印刷 中山恭子さん>
「かわいくできました」
中山さんは活版印刷機が醸し出すアナグロさに魅力を感じています。
<乙女印刷 中山恭子さん>
「全部、同じようにきれいに刷りたいんですけど、どうしても力加減で、こういうちょっとここ薄いんですけど。色味が薄いのがわかりますかね。こういうのがおもしろいなと思って。偶然生まれる個体差っていう。多分力の入れ具合が変わったんだと思います。人の手作業の温かみというか」
1枚の中で生まれる微妙な違い。中山さんの作品からその違いを見つけるのも楽しみのひとつです。
<乙女印刷 中山恭子さん>
Q.どういうふうに使って欲しいですか?
「大切なメッセージを送るときに使っていただけたらなと思います」
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